買い置きしておいた「約束の旅路」という映画を観た。今、エチオピアに関係しているのでメンギスツ政権時代に実施されたモーゼ作戦も耳にしており、この映画をたまたま見つけたので是非観たいと考えていた。映画は149分の長編、とても見応えのある内容でした。1984年に実施されたエチオピアのユダヤ人をイスラエルへ空輸するモーゼ作戦を題材にしている。北部ゴンダール出身の9歳のエチオピア人少年がユダヤ人と偽りスーダンの難民キャンプからイスラエルへ逃れ、真実を隠して生きる葛藤と苦難の人生、そして、宗教、人種、隣人愛、家族愛を描いた作品。原題はフランス語、Va, vis et devines!「行きなさい、生きなさい、そして何かになりなさい」。
各所での映像はきめ細い、雄大かつ急峻な地形、そして、森林のないエチオピア北部シミエンの風景、少年の水に対する認識(イスラエル到着後のシャワーのシーン)、学校での人種的偏見、故郷への想い;裸足で歩くシーン、同じ黒いユダヤ人同士での美人局、養父母や義理の兄妹の愛情表現、人種を超えた人間愛、イスラエル情勢など。
昨年末からエチオピア国内では反政府デモや民族間の対立がエスカレートし内政が緊張している、この映画は何か示唆するものがあるように思う。