周りから何を言われようと自分を貫き通したニキフォル。その精神には強さも弱さもありそこから人間味のある洗練されていない絵が生まれてきたのではないでしょうか。
映画は淡々とニキフォルの人間性、人生を描いています。ただ身寄りのいないニキフォルを引き取り、看取るところまで世話をしたマリアン・ヴォシンスキという同じ画家という職業に就いている男の人を描いた映画であるともいえます。なぜそこまで血縁関係もなくわがままなニキフォルを世話したのか。そこを考えさせられるところも映画からのメッセージではないでしょうか。
ニキフォルは男ですが演じているのは女の人、クリスティーナ・フェルドマンという女優の方です。このキャスティングにはびっくりしました。映画中女の人だとは全く気付きませんでした。しかも映画祭で最優秀女優賞を受賞しています。映画の内容もさることながら、別の意味でもすごい映画だと思いました。