浪人街 [DVD]
フォーマット | ブラック&ホワイト, ドルビー |
コントリビュータ | 河津清三郎, 藤田進, マキノ雅弘, 北上弥太郎, 近衛十四郎, 高峰三枝子, 山上伊太郎 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 1 時間 50 分 |
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メーカーによる説明
あの頃映画 浪人街 [DVD] | 浪人街 [DVD] | |
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カスタマーレビュー |
5つ星のうち3.0
14
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5つ星のうち3.0
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価格 | ¥2,687¥2,687 | — |
製品仕様 | DVD | DVD |
発売日 | 2012/12/21 | 2007/11/28 |
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 日本語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988105054547
- 監督 : マキノ雅弘
- メディア形式 : ブラック&ホワイト, ドルビー
- 時間 : 1 時間 50 分
- 発売日 : 2007/11/28
- 出演 : 近衛十四郎, 河津清三郎, 藤田進, 高峰三枝子, 北上弥太郎
- 言語 : 日本語 (Mono)
- 販売元 : 松竹ホームビデオ
- ASIN : B000VJ2DS2
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 216,388位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
出演数の少ない、女優で、中島俶恵さん、(テレビドラマ変幻三日月丸:お志乃、)が出演されているので、購入しました。
2020年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レンタル落ちDVDで鑑賞。予備知識なく「浪人街1990」と一気見しようと購入したところ予想外に面白い作品でした。太平の世に旗本小幡伝太夫(石黒達也)七郎衛門(竜崎一郎)一派と対立する浪人赤牛弥五右衛門(河津清三郎)母衣権兵衛(藤田進)荒牧源内(近衛十四郎)の物語。要領よく立ち回る弥五右衛門、初恋の女を忘れられない武骨物の権兵衛、そして女掏摸お新(水原真知子)に養われながら水茶屋の小芳(高峰三枝子)に通い、土居孫八郎(北上弥太郎)の妹おぶん(山鳩くるみ)にもちょっかいを出すジゴロ(死語か?)な源内。松竹映画ですが、ひと世代ずれた映画ファンだった私には東映、東宝、大映でお馴染みの人たちが一堂に出演していて新鮮に感じられました。財布の金の半分を掏り取り元の懐に返すという名人芸の持ち主お新の存在が男たちを戦いの場に駆り立てることに…。女掏摸というと伝法な姐御肌で啖呵をきる(個人の感想)イメージですが、お新は他の女の所に遊びに行く源内から鞘で抉られながら金をねだられても身悶えしつつ溜息をついて金を出してやるどM女。小幡一派に拉致されるは縛られるは鞭で打たれるは、果ては牛裂きの刑になりそうになりながらも悲鳴も上げず源内の居場所を白状せずに耐えるどMいや貞女ぶりを見せてくれます。さらに「あたし可愛いでしょ、可憐でしょ?」なおぶんの立ち回りが男たちを戦いの場へ導きます。人質になり牛裂きの刑にされそうなお新を助けるために逡巡しながらも剣を抜く源内、初恋の女お新のために駆けつける権兵衛、そしてこれまた迷いに迷って仕官を諦め友情のために助太刀に入る弥五右衛門。予想に反して斬り死にするのは弥五右衛門。要領よく生き延びる愛すべきキャラだと思っていたので意外でした。戦いはロケ撮影だったのに死亡シーンのみセット撮影だったのは撮り直しか何かだったのでしょうか。源内とお新を江戸から逃がした後、捕り方を相手に最後の大暴れをする権兵衛の姿を遠くから見る小芳の愚かで可愛い男共を憐れむかのような顔が印象的でした。レンタル落ち商品にはままある事ですが、レンタル識別シールがパッケージのスチール写真のキャストの顔の上に貼ってあるのは興醒めです。気の利いたお店だと識別シールをレンタルケースに貼ったり、バーコード欄に貼っていたりするのですが…。
2013年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
マキノ・エンターテインメントというべきマキノ映画の世界が楽しめる作品です。面白くなければ映画では
ないと言っているようです。
ないと言っているようです。
2015年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
仕官できない浪人たちの想いをぶちまけた1957年のマキノ雅弘監督の自身3度目のリメイク作品。個人的にはラストシーンのかっこ良さはピカイチだと思う。
この作品の後にも黒木和雄監督によるリメイクもあるが、この作品の方が断然よい。
そのわけは、ヒモの荒牧源内(近衛十四郎)、源内にやたらと絡む赤牛弥五右衛門(河津清三郎)、源内の妻を想う母衣権兵衛(藤田進)の3人の関係が上手く描かれているところ。
源内は金に汚いく浮気者だがどこかでお新(水原真知子)のことを想っているところがやりきれない。源内の腕を買っているが仕官欲で身の置き方を狂わせる赤牛は滑稽でもあるが、源内との喧嘩を通して源内との友情を高めていくところも絶妙。母衣はお新に対する想いを心の奥にグッと秘めているところがやるせないし、源内と赤牛のやり取りを冷静に暖かく見守る存在。そんな三者がものすごく魅力的だった。生活のために売ってしまった短刀を持ってくることが仕官の条件となった土居孫八郎も彼らの運命に大きくかかわっていくところも良かった。
殺陣も源内と赤牛の喧嘩のシーンでは刀が触れ合うシーンでの火花は当時では斬新でリアルな演出だったと思うし、クライマックスの旗本一段との大殺陣も躍動感がある。特に赤牛の最期は「俺たちに明日はない」のニューシネマ的な凄みがある。
そして、ラストで母衣が赤牛の名前が刻まれた卒塔婆を前に酒を酌み交わし、「お前あの女に惚れていたのか」、「惚れていた」という会話をするシーンは何とも言えない。その後の町方に囲まれた母衣、それを見てその場を後にする遊女小芳(高峰美枝子)、このシーンは最高のラストだ(黒木版のラストはこの辺の粋な映像が全くない)。
さすが、マキノ雅弘監督の傑作だ。
この作品の後にも黒木和雄監督によるリメイクもあるが、この作品の方が断然よい。
そのわけは、ヒモの荒牧源内(近衛十四郎)、源内にやたらと絡む赤牛弥五右衛門(河津清三郎)、源内の妻を想う母衣権兵衛(藤田進)の3人の関係が上手く描かれているところ。
源内は金に汚いく浮気者だがどこかでお新(水原真知子)のことを想っているところがやりきれない。源内の腕を買っているが仕官欲で身の置き方を狂わせる赤牛は滑稽でもあるが、源内との喧嘩を通して源内との友情を高めていくところも絶妙。母衣はお新に対する想いを心の奥にグッと秘めているところがやるせないし、源内と赤牛のやり取りを冷静に暖かく見守る存在。そんな三者がものすごく魅力的だった。生活のために売ってしまった短刀を持ってくることが仕官の条件となった土居孫八郎も彼らの運命に大きくかかわっていくところも良かった。
殺陣も源内と赤牛の喧嘩のシーンでは刀が触れ合うシーンでの火花は当時では斬新でリアルな演出だったと思うし、クライマックスの旗本一段との大殺陣も躍動感がある。特に赤牛の最期は「俺たちに明日はない」のニューシネマ的な凄みがある。
そして、ラストで母衣が赤牛の名前が刻まれた卒塔婆を前に酒を酌み交わし、「お前あの女に惚れていたのか」、「惚れていた」という会話をするシーンは何とも言えない。その後の町方に囲まれた母衣、それを見てその場を後にする遊女小芳(高峰美枝子)、このシーンは最高のラストだ(黒木版のラストはこの辺の粋な映像が全くない)。
さすが、マキノ雅弘監督の傑作だ。
2018年8月14日に日本でレビュー済み
あのTVシリーズ月影兵庫、花山大吉を演じた近衛十四郎出演作と知り視聴。若き頃の近衛十四郎だったが、映画自体が面白くなく、テンポも悪く残念。剣さばきは、さすが近衛十四郎だが、あとの二人は動きが鈍重で剣の扱いがなっておらず、剣術物にもチャンバラにもなっていない。
2016年6月30日に日本でレビュー済み
20分位長過ぎ。映画館ならテンポが遅く冗漫。カットすればそれなりに面白いかも。
2014年6月6日に日本でレビュー済み
マキノ正博(雅弘)が1928年に完成させた幻の傑作「浪人街」。
断片フィルムはわずか8分のクライマックスだけが残されている。それでも、あの一瞬の躍動感、浪人たちを取り囲む人の群れ、群れ、群れが斬りかかるフルスピードの死闘。
そして「おのれッ裏切ったなッ」の問いに対して「馬鹿ッ!表返ったのぢゃわッ!」と言って見せるマキノ節の何と粋な事か。
その表情の活き活きした事、そして今までの罪滅ぼしか、たった一人で修羅場を引き受ける義理人情。この一瞬の場面の熱さ。
母衣権兵衛や荒牧源内、土居孫左衛門といった浪人がたった一人の惚れた女のために数多の刃の中に飛び込む“馬鹿野郎”たち、そんな男たちに惚れてしまった赤牛もまた“馬鹿”である。これほど仁義に厚くカッコイイ馬鹿野郎共どもは早々いないぜ。
そんな最高速度の“一瞬”が凝縮されたフィルムを見てしまった以上、幾らマキノ正博とてリメイクは劣る・・・なんて事は無いのがマキノ正博の凄いところ。
「浪人街(1939年)」や「酔いどれ八萬騎(1948年)」に続く三度目のリメイクだが、現在まともに見られるのはこのフィルムだけだ。
一体前二作が、サイレントの完全版がどれだけ凄まじかったのかをこのフィルムは我々に語ろうとしている。
初代「浪人街 美しき獲物」をベースにした作品。
監督は同じマキノだが、流石にサイレント版と比べると本作は見劣りするかも知れない。人々の仕草のインパクトやクライマックスのキチガイどもが猛烈なスピードで斬り合う迫力は初代が圧倒的。
1957版は藤田進、近衛十四郎、河津清三郎…いずれも中年のどっしりとした感じ。それに振り回される女性陣も何処か熟した様子。緊張の漲りや勢いもかなり欠ける。
だが、河津は初代「浪人街」で凄まじい死闘を演じた一人。彼の若き日と成熟した演技を見比べるだけでも見る価値はあるし、何より本当に火花を散らすような大喧嘩の楽しさといったらないぜ。
冒頭、人々が行き交う街中を上空から捉え、横たわる面、「強い奴 弱い奴…」うんぬんの字幕は初代からあったそうな(冒頭部分は未だ発見されず)、浪人の歌に人々が集まるシーンからすべてが始まる。
撮影はなんたって初代「浪人街」からマキノ、溝口健二の傑作群で実力を振るった三木滋人(三木稔)。この人にかかれば、旗本がいらぬ情けで投げつけた金に抜刀で“返事”をする場面も最高にカッコイイ。
旗本連中だろうが何だろうが喧嘩腰、そんな喧嘩馬鹿がひしめき合う浪人街。
情け駄賃はいらんかと思えば仲裁料は貰って一儲け、酒代を賭けて表で喧嘩、役人も酔いを醒ます勢いで表に飛び出てヘタレを晒す、口喧嘩から刃を交え火花を散らしまくる様子は後の「スターウォーズ」のライトセーバーである(違います)。
こんな馬鹿らしい(褒め言葉)タコ踊りでもやるような殺陣を撮ってしまうのもマキノの遊び心。本気の殺し合いならこんなことはやらない、なんたって彼等の喧嘩は親しい友人になる前の挨拶みたいなもんなのだ。なんせ愛しき喧嘩相手を見つけてくるっと再会するシーンの微笑ましさはどうよ。
藤田進と河津清三郎は黒澤明の「用心棒」でもユニークな存在だった。
何故か太鼓打ち、ダイナミック飲み逃げで「スマン」、役人仕事しろ、ドイツもコイツも酔いどれのろくでなしばかり。
女は畳に拡がる水を拭い、手を震わせ火を消し泣きつく。鞘で膝をグリグリされたってどうしようもなく好きだから、障子は誰かに見せつけるかのように開け放たれている。
娘をナンパする旗本どもをビビらせる高峰秀子の貫禄(1957版オリジナルの登場人物)、隣の部屋に男がいることを承知で着物の帯をとく仕草が色っポイ。
狭い一軒家の影の蠢き、薄暗さが兄妹の悲惨さを際立たせる。
投げ出された刀、部屋から出て行った後の「げんなーい!」の一喝、依頼を受ける代わりにふっかけまくるやり取りにまたもにんまり、“短刀”の行方、「あの娘欲しいから工面して」なんてそりゃぶっ叩かれるww
しかし旗本どもも巻き込む喧嘩売りから事態は徐々に変わっていく。
酒で和平と思わぬ決別、人質と死闘の予感・尚も振り回される女たち、突き飛ばし→突き飛ばしへの繋がり。
女たちは鞭を打たれたり、必死に脱走したりしているというのに馬鹿どもは叱られたり酔っぱらって柱に抱き着いたり。
そんな奴らが他人のためにたった一人で殴り込み、罠と解り「俺はいかねえぜ」と言ってたのに駆けつけたり、馬に乗って突撃したり、全軍引き受けて槍をブン奪ってまで戦い抜いたりするんだぜ?この映画の浪人どもは、そういう馬鹿野郎ばっかりなんだ。
燭台は鈍器に、木の陰の葛藤、“表返り”、御用提灯の光が夜道を駆け抜ける酒場、豪快に酒をブチまけ、押し寄せる人々の中に消えていく…。
断片フィルムはわずか8分のクライマックスだけが残されている。それでも、あの一瞬の躍動感、浪人たちを取り囲む人の群れ、群れ、群れが斬りかかるフルスピードの死闘。
そして「おのれッ裏切ったなッ」の問いに対して「馬鹿ッ!表返ったのぢゃわッ!」と言って見せるマキノ節の何と粋な事か。
その表情の活き活きした事、そして今までの罪滅ぼしか、たった一人で修羅場を引き受ける義理人情。この一瞬の場面の熱さ。
母衣権兵衛や荒牧源内、土居孫左衛門といった浪人がたった一人の惚れた女のために数多の刃の中に飛び込む“馬鹿野郎”たち、そんな男たちに惚れてしまった赤牛もまた“馬鹿”である。これほど仁義に厚くカッコイイ馬鹿野郎共どもは早々いないぜ。
そんな最高速度の“一瞬”が凝縮されたフィルムを見てしまった以上、幾らマキノ正博とてリメイクは劣る・・・なんて事は無いのがマキノ正博の凄いところ。
「浪人街(1939年)」や「酔いどれ八萬騎(1948年)」に続く三度目のリメイクだが、現在まともに見られるのはこのフィルムだけだ。
一体前二作が、サイレントの完全版がどれだけ凄まじかったのかをこのフィルムは我々に語ろうとしている。
初代「浪人街 美しき獲物」をベースにした作品。
監督は同じマキノだが、流石にサイレント版と比べると本作は見劣りするかも知れない。人々の仕草のインパクトやクライマックスのキチガイどもが猛烈なスピードで斬り合う迫力は初代が圧倒的。
1957版は藤田進、近衛十四郎、河津清三郎…いずれも中年のどっしりとした感じ。それに振り回される女性陣も何処か熟した様子。緊張の漲りや勢いもかなり欠ける。
だが、河津は初代「浪人街」で凄まじい死闘を演じた一人。彼の若き日と成熟した演技を見比べるだけでも見る価値はあるし、何より本当に火花を散らすような大喧嘩の楽しさといったらないぜ。
冒頭、人々が行き交う街中を上空から捉え、横たわる面、「強い奴 弱い奴…」うんぬんの字幕は初代からあったそうな(冒頭部分は未だ発見されず)、浪人の歌に人々が集まるシーンからすべてが始まる。
撮影はなんたって初代「浪人街」からマキノ、溝口健二の傑作群で実力を振るった三木滋人(三木稔)。この人にかかれば、旗本がいらぬ情けで投げつけた金に抜刀で“返事”をする場面も最高にカッコイイ。
旗本連中だろうが何だろうが喧嘩腰、そんな喧嘩馬鹿がひしめき合う浪人街。
情け駄賃はいらんかと思えば仲裁料は貰って一儲け、酒代を賭けて表で喧嘩、役人も酔いを醒ます勢いで表に飛び出てヘタレを晒す、口喧嘩から刃を交え火花を散らしまくる様子は後の「スターウォーズ」のライトセーバーである(違います)。
こんな馬鹿らしい(褒め言葉)タコ踊りでもやるような殺陣を撮ってしまうのもマキノの遊び心。本気の殺し合いならこんなことはやらない、なんたって彼等の喧嘩は親しい友人になる前の挨拶みたいなもんなのだ。なんせ愛しき喧嘩相手を見つけてくるっと再会するシーンの微笑ましさはどうよ。
藤田進と河津清三郎は黒澤明の「用心棒」でもユニークな存在だった。
何故か太鼓打ち、ダイナミック飲み逃げで「スマン」、役人仕事しろ、ドイツもコイツも酔いどれのろくでなしばかり。
女は畳に拡がる水を拭い、手を震わせ火を消し泣きつく。鞘で膝をグリグリされたってどうしようもなく好きだから、障子は誰かに見せつけるかのように開け放たれている。
娘をナンパする旗本どもをビビらせる高峰秀子の貫禄(1957版オリジナルの登場人物)、隣の部屋に男がいることを承知で着物の帯をとく仕草が色っポイ。
狭い一軒家の影の蠢き、薄暗さが兄妹の悲惨さを際立たせる。
投げ出された刀、部屋から出て行った後の「げんなーい!」の一喝、依頼を受ける代わりにふっかけまくるやり取りにまたもにんまり、“短刀”の行方、「あの娘欲しいから工面して」なんてそりゃぶっ叩かれるww
しかし旗本どもも巻き込む喧嘩売りから事態は徐々に変わっていく。
酒で和平と思わぬ決別、人質と死闘の予感・尚も振り回される女たち、突き飛ばし→突き飛ばしへの繋がり。
女たちは鞭を打たれたり、必死に脱走したりしているというのに馬鹿どもは叱られたり酔っぱらって柱に抱き着いたり。
そんな奴らが他人のためにたった一人で殴り込み、罠と解り「俺はいかねえぜ」と言ってたのに駆けつけたり、馬に乗って突撃したり、全軍引き受けて槍をブン奪ってまで戦い抜いたりするんだぜ?この映画の浪人どもは、そういう馬鹿野郎ばっかりなんだ。
燭台は鈍器に、木の陰の葛藤、“表返り”、御用提灯の光が夜道を駆け抜ける酒場、豪快に酒をブチまけ、押し寄せる人々の中に消えていく…。
2009年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
マキノ雅弘自身によるニ度目のリメイク作品『浪人街』(1957)は、脚本の魅力と、キャスティングの良さによって、いわゆる「マキノ節」に魅了される。斬り合いの山場において、河津清三郎が味方の旗本から「おのれ、裏切ったな」と言われると、「表返っただけだ」と啖呵を切り、近衛十四郎と藤田進に側につくシーンに思わず喝采を贈りたくなる。
マキノ雅弘の人情時代劇は、『次郎長三国志』全9部に代表されるが、男が男に惚れる、あるいは好きな女のために己を犠牲にするという生き方は、『浪人街』も同様である。マキノ節の原型といわれるオリジナル『浪人街第一話 美しき獲物』(1928)のフィルムが消失している以上、この二度目のリメイクでも、十分にマキノ節が伺える。まずはリメイクでもいいから、『浪人街』を見てみよう。
マキノ雅弘の人情時代劇は、『次郎長三国志』全9部に代表されるが、男が男に惚れる、あるいは好きな女のために己を犠牲にするという生き方は、『浪人街』も同様である。マキノ節の原型といわれるオリジナル『浪人街第一話 美しき獲物』(1928)のフィルムが消失している以上、この二度目のリメイクでも、十分にマキノ節が伺える。まずはリメイクでもいいから、『浪人街』を見てみよう。