彼女の「いいとこどり」ではなくて、エッセンスがふんだんに織り込まれた作品。
収録は6曲で 価格はミニ・アルバム並み。
しかも オリジナルは3曲で 後はカバー3曲。これって どう?
そんな間に合わせた感じのする選曲だけれど…
これが いい意味で期待を裏切ってくれるのだ。
1曲1曲がすごく生きている。
その曲が持つポテンシャルを、最大限に引き出し、声にして響かせる。
いや、声だけじゃない。 本質はきっと構成力にあるのだろう。
幸せマチコさん のテーマ(?) である タイトル曲は爽やかで、すぐにクセになる。
たぶん誰でも 「あっ、これ聴いたことある」 と思うのではないだろうか。
大胆なアレンジに染められたカバー3曲は、ほぼ新曲といってもいい仕上がり。
あの はじめて名曲に出逢ったときの 背筋が震える感覚がある。
人並みはずれた感受性と表現力を持ったボーカリスト。
ずいぶん前に他のレビューで、作詞をしないアーティストに気持ちを乗せることはできない なんて書いたことがあったが……
彼女の歌をはじめて聴いたときに
「こんな人いるんだっ!」
と驚き、正直 間違っていたことを思い知らされた。
オリジナルをもっと聴きたければ 『二階堂和美のアルバム』 が、
カバー曲をもっと聴きたければ 『ニカセトラ』 がオススメ。
彼女の雰囲気にのまれて、他の作品が聴きたくなってくる名盤です。