通常、5thシングルともなると良くも悪くも「らしさ」の詰まった作品が多く見受けられる頃。
この曲はそんなちっぽけな想像を見事に打ち破った。
歌詞から発せられる直接的なメッセージは多くはないけれど、そこがまた良い。
タイトルである「アヒル」と言う単語の持つ可愛らしいイメージをことごとく裏切るあたり、現代のロックバンドにふさわしいクセモノっぷりだと思うのだがどうだろう?
今、私が聴きたいのは上辺だけを取り繕ったウソ臭いメッセージソングでは無く…ましてや甘い言葉の詰まった愛の歌でも無い。
重要なのは 言葉が、音が、声が、「聴いていて気持ち良いかどうか」
そこにグッと来るし、心が躍る。
耳に残るシンセサイザー、唸るギター、乾いたドラム、真太いベース、そしてそのどれをも超越するVocal永野の歌声。
それがまさにAPOGEEの武器である【他には無い何か】であり、そこに彼等のただならぬ才能を感じでやまない。
歌い方が少し優しくなったように感じるM2「???What is the life???」も、フランス人リミキサー25 Hours A DayによるM3「アヒル」も、それぞれに違った表情が面白い。
想像を超える変革、躍動が存在する音楽。
それは狂おしい程にロックだ。