地球防衛軍シリーズはTPSのゲームなのですが、シンプルな操作性で間口が広く爽快感があるにもかかわらず、ゲーム慣れしている人でもそう簡単にはクリアできないほどの高難易度が用意されているという、歯ごたえと絶望感が魅力のゲームです。
また銃やロケットランチャーなどの近代兵器がおもな武器なのですが、リアリティ重視のFPSのような雰囲気ではなく、クリーチャーが出てくる単なるSFでもない、日本独自の「特撮」作品の空気を強く感じさせるデザインが特徴で、最大の魅力の一つだと思っています。本作が唯一無二として人気が持続していて、ほかのゲームに取って代わられない理由は「怪獣」が出てくるような「特撮」の世界観という要素が大きいのではないかと個人的には思っています。
日本でTPSで人気が出たというのはじつは凄いことだと思います。それに今の時代にキャラやムービー演出に頼らずゲームの本質のみで勝負していて、好感が持てるゲームです。プリレンダムービーはなくともミッション中のリアルタイムでの臨場感のある演出が上手く、EDF(地球防衛軍はEDFと略されます)隊員たちのボイスが熱いのでまったく不足を感じません。
ムービーでカッコよく活躍していたキャラが、自分でプレイしたらその動きできないじゃん！みたいなことがないのでそういうところも良い点ですね。
あとは弾数が基本的に無限で、好きなだけ撃ちまくれるところがいいですね。シューターは好きだけど「弾切れ」という要素にわずらわしさを感じる人にオススメです。また敵が巨大なので狙いがつけやすく、目が疲れにくいのもいいところです。敵の種類は少ないですがこのシリーズは「色々な敵を倒す」ではなく「色々な武器を試す」ゲームだと自分は思っているので、敵の種類が少なくて飽きるというかたは使っていない武器を試してみてください。
本作はEDF2から兵科が減り陸戦兵のみになってしまいましたが、一兵科になったことでバランスは良くなり、ただただ愚直に陸戦兵を極めようという気持ちにさせてくれます(自分は4の四兵科も好きですが) 最高難易度はかなりの難しさですが2ほど理不尽ではなく、挑戦しがいがあります。
あとEDF4.1、5と比較してもグラフィックはそれほど見劣りせず綺麗で、今からプレイしてもなんら問題はないと思います。敵のメタリックな感じはむしろEDF4より良く出ている気もするし、戦車やヘリといった乗物の挙動やモデリングもしっかりしていると思います。個人的には細かいところまで作り込んだ日本の都市のマップがよくできていて感心します。
現在、地球防衛軍3 PORTABLEも発売されていますが、グラフィック、操作性の面において本作に存在価値はあります。EDF4も、4.1がある今でもステージ構成や武器のバランスが違うので「ワイヤーつええ！」など無印版独自の部分を体験してみたいならプレイしてみてはいかがでしょうか。EDF3と4はXbox Oneの後方互換に対応しているのでそちらでプレイするのもいいと思います。
キャラクター重視でもなく、海外ゲームのような重厚な世界観でもない、昭和レトロ的な空気があり独自な位置にいるゲームですが「怪獣」「空飛ぶ円盤」にロマンを感じるかた(今作はSF寄りなので、昭和特撮好きならEDF2が一番ですが)、ハイスピードではなくガシャンガシャンと歩く工業製品のようなロボットが好きなかた、巨大なものにカタルシスを感じるかた、そうでなくともストーリーやムービー重視なゲームに飽きた、単にゲームらしいゲームに飢えているかたにも是非遊んでほしいゲームです。
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