この映画に描かれているようなことが、実際にあったのかどうかはわかりません。
いや、それ以前に。
当時の日本の観客が、それをリアルなことと感じたかどうかも。
ただ、今の時点では今の時点なりに、感性を揺さぶられる点があるような気もします。
例えば、デモのこと。
例えば、オキナワのこと。
もちろん例えば、アメリカとの関係性のこと。
最初の段階から、何故この人が主人公なんだろうと思っていました。
でも、ラストに向かっていく中で。
なるほど、そういうことか。
現代のエンターテイメントを見慣れた目からは、設定が甘いような気もしていたのですが。
ほんの少しですが。しびれるものを感じました。
そこに潜む、怨念のようなものに。
誰にでもお薦めですとは言い難い。
時間の無駄だったと感じる人も多そうな気がします。
その感じ方を否定する気もありません。
ただ、意外に沁みる部分がある。
特にウクライナの問題が連日報道されている現状では。
反戦映画でも、安直な社会派映画でもないと思いますが。
なかなか良い映画だと思います。
時間と心に余裕のある時にご覧になることを、お勧めします。