ミケランジェリの死後、2000年に彼の妻などの承諾を得、当初は関係者達のみに配布された後、
ようやく一般用として発売されたのがこのCDです。
音揺れが所々気になりますが、1967年という時代を考えれば音質は充分に許容できるものです。
当時47歳と絶頂期にあったミケランジェリの、しかもオールショパン。
彼が好んで弾いた第2番のソナタやマズルカの完璧なる構築美が、
私たちの心の曇りを取り払ってくれる様です。
第2番ソナタの第1楽章終了時に、一部の観客が間違って拍手をしてしまっていますが、
それを物ともせず、以降もミケランジェリの集中力はまったく途切れる事はありません。
バラード第1番でのキリっと引き締まった演奏は後のDGスタジオ盤をも凌ぎます。
最後の“アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ”は、
ゆっくりとした出だしからフィナーレまで、コントロール抜群の指さばきです。
一切のブレの無い完成度の高い演奏・・・なんて神々しいのでしょう!