フルトベングラーの47年5月27日の演奏を思い出してしまう…それほどに激アツな《運命》です。
言うても…フルトベングラーはベルリンフィルとずっと一緒にやっとった訳で、しかもベルリンフィルは一流です。
テンシュテットの凄いところは、たまたま客演したど田舎の、お世辞にも上手いとは言えないオーケストラを、その気にさせ一流楽団を越える名演を引き出した事です。
この演奏に匹敵するのは、マタチッチがN響から有り得ないくらいのドイツ的ベートーベンを引き出した《7番》…バレンボイムが寄せ集めの若い演奏者を鼓舞しながら大熱演の《第九》のベルリンライブくらいかなあ…
ベートーベンは至高の存在でありながら、力いっぱい手を伸ばせば届くんだね…むしろ、全力を出し切らない事務的なベートーベン演奏など聴く気にもならない…交響曲だけでなく、ソナタなんかもそうですね。人間がそのまま音に出ちゃうんだね。