Base Ball Bearが2007年にリリースしたアルバム。月並みな表現かもしれませんが、今作を聴いて私の頭に思い浮かんだのはまさに「甘酸っぱい青春」という言葉でした。「17才 It’s a seventeen 檸檬が弾けるような日々」(17才)や「ドラマチックチック 止められそうにない 止めたいと思わない」(ドラマチック)、「君に出会ってしまった事件 出来るならTake me high again」(SEVENTEEN ROMANCE)等といった言葉がキャッチーで爽やかなフレーズとして、曲を追うごとに次々と飛び出してきます。
曲調に関してはリズミカルで清涼感のあるギターロックが中心といった感じ。シングル曲やMVが製作された曲においては4つ打ちのリズムに偏っている印象を受けますが、浮遊感のあるアレンジの『ヘヴンズドアー・ガールズ』やブルージーな『FUTATSU NO SEKAI』、レゲエの要素を取り入れた『気付いてほしい』のように、それ以外の曲で上手くバリエーションを補っており、爽やかなトーンを保持したまま一辺倒にならないよう工夫をしている様子が見て取れます。
清々しい甘酸っぱさを感じられながらもどことなく「知性」も感じ取れる一作。「青春」と一口に言ってもいわゆる「青春パンク」のような「青臭さ」はほとんど感じられないので、『十七歳』というタイトルを冠しながらも結構幅広い年代の方にお勧めできるアルバムになっていると思います。