主人公は楽器店の営業ですが、ある朝出勤しようとすると、車のローン延滞で車が差し押さえられています。
バスで出勤すると、今度は営業成績が悪いから退職するよう迫れられます。
会社の非常階段にへたり込んで、ローンの請求書を前に頭を抱えていると、母親からは仕送りの依頼電話がかかってきて、ますます意気消沈します。
そこに一本の電話がかかってきて、地面に落ちている新聞で頭上のハエを叩き潰せば1万バーツ(2.5万円ほど)もらえると言われます。
実際にやると、銀行から振込があったあとのSMSが届きます。
主人公は信じこんで、ゲームを続けることを決めます。
ゲームの主催者との連絡は携帯で行われ、始めのうちはゲームの内容は些細なものなのですが、やがてトンでもないものに変わっていきます。
続ければどんどん賞金が上がっていき、最後の13個目のゲームをクリアすれば1億バーツ(2.5億円ほど)がもらえますが、失敗したらその時点で全額没収されます。
また、1、やめると申し出る、2、ゲームのことを誰かに知られる、3、電話の主について詮索しようとする
と、その時点で失格です。
それで、主人公はお金をゲットするためにどんどんチャレンジしていきます。
感想
以下ネタバレを含みます。
この映画、最初はシリアスホラー路線かとおもいきや、ゲームが進むにつれて若干おバカ路線が混じってきます。
しかし、いかにもバカなバカっぽさなので、全体の雰囲気をぶち壊さずに観客の笑いを誘う感じで、評価できます。
また、日本では人間の死体はテレビや新聞から隠蔽されて久しいですが、タイはそのへんの感覚が日本とは随分違います。
映画にもそれが現れていて、ゲームの内容が熾烈なこともあり、超リアルな水死体が登場したり、血まみれになったり、頭蓋がすっぱり切れて脳みそが露出したりと、割りとバイオレントでグロテスクな描写満載なので、斬新です。
若干引きますが、グロさが出てくる度に、おバカで中和されるので、実に軽妙な印象を受けます。
このへんのノリが、ナンセンスで低俗だと思うか、バカっぽいと思うかで評価はわかれると思います。
中盤あたりから主人公はもう金のためではなく、ゲームを進めるためにゲームをするような感じになって、完全に気が狂っているように見えるのもある意味シリアスなホラーです。
テンポがよく、シリアスとバカがうまく共存しています。
エンディングは多少「なんだこれ?」感が否めませんが
そこそこ退屈せずに見られる映画だと思います。