初見の印象はあまりよくかった。
内容に対して感情が整理できず、この映画に嫌悪感をもったことを覚えている。
だが、しばらく(数日)経つと自分の中で不思議な印象の変化を感じてきた。
そして再度観てみるとほとんど180度印象が変わっていた。(…DVDで繰り返し観る事ができるというのは贅沢なことだ)
非常に残酷な内容であるにもかかわらず、とてもファンタジックな美しい映画のように感じた…。
なぜだろう。私自身が男だからだろうか。
女性ならこの映画どう思うのだろう?。
主人公は『美少年』とクレジットされている。
別に美少年に見えない。 …ここはつっ込みどころかもしれないが、そのアンバランスさが寧ろこの映画に逆説的なリアリティを与えているようにさえ感じる。
この映画は元来ピンク映画なのだから男性視点中心に作られているだろう。ピンク映画の枠をこえて男性の生理的な汚物(?!)まで見せられたように(私には)感じられたから、初め嫌悪したのかもしれない…。
そしてそれを(私は男だから)受け入れ美しく(?)感じたのだろうか?。性の衝動を処理しきれないまま胎内回帰願望を体現するように丸くなる幼い主人公。どこかに共感してしまう。
これはどう解釈すべきだろう。
この作品は低予算で短期間に作られた映画だという。確かに荒っぽい印象はある。
だが確かにこの作品は重大なナニかを表現している。(それは何だといわれると判らないが…)
短期間(撮影自体は三日程度。追加撮影を含めても一週間かかっていない様子)でコレを作り上げたとは!!。
このとき製作スタッフの感性がいかに鋭かったかがわかる。
ソフトは監督インタビューや詳細なブックレット(唐十郎のインタビューを含む)など、内容が充実している。
この買い物は期待以上のものだった。