およそ3年の沈黙を破り、壮大なスケールアップを遂げた、BSP渾身の3rd。
前作「Open Season」はそのタイトルが示すとおり、雪解け水が流れる小川のせせらぎのように穏やかで清らかな作品だった。今作でも、冷気を帯びた特有のサウンドは不変のまま、川から海へ流れ出るように、その表現世界はいっそうの広がりを見せている。孤高の英国海軍が、初めて大海原に帆を浮かべた記念碑的作品。
前作に比べアルバム全体としての統一感は薄れたものの、各曲ごとのクオリティは非常に高く、バラエティに富んでいる。鳥の鳴き声もすんなりと溶け込むほど、自然と一体となった音楽には、まるで精霊の力が宿っているよう。ロックの持つダイナミズムによって放射されたエネルギーが、風のように身体を吹きぬけ、水のように心に染みわたってゆく。
確信犯的なタイトルは自信の表れか?
このアルバムを聴き込むほどに、その答えははっきりと一つの方向に導かれるのだから。