社会の下層に生きる若者達の恋愛や現実の社会を描いている。
ラブコメ調なので軽く見ていられる。
主人公・浜田光夫さんは母子家庭で、定時制に通いながらも、ある一流商社を目指す高校生。
何故ある一流商社だけかと言うと、大会社で定時制に求人を出す会社はその商社のみだから。
昼間は工員で働き、学が無いと大会社への応募機会もないと言い、貧乏の再生産の様な話もする。
60年後の今から見ても、やはり当時からそう言う危機感はあったんだなと思った。
(1963年1月公開なので制作は1962年頃)
そもそも前年(1962年)のヒット曲に乗っかり映画化しただけの軽い企画が、
60年後の今見ても考えさせられるストーリーが素晴らしい。
浜田さんは不採用になるが、その理由が「定時制は社会慣れしているからNG」。
教師も浜田さんもその理不尽さに愕然とする。
他の主人公、ヒロインは吉永小百合さん。
脇役ではあったが、松原智恵子さんの若い頃が綺麗で驚いた。
橋幸夫さんは映画俳優でもないのに舞台慣れしているのは流石!
そしてロケ地、川(荒川)や土手、土手下の中小工場とか、風景が私の地元かなと思った。
地元は数キロ下流だが、今でも雰囲気は変わらない。
今では映画の様な家屋はなく、川から見える景色はマンションばかりですが。