オーケン歌手活動復帰後、やはり何気にアニオタだったりでニヤリとし、
さらにそれ以外の活動にて彼に瞠目する経緯にあった自分としては、
未だに忘れがたい既作『N.H.Kにようこそ!』(踊る赤ちゃん人間)や、
この絶望先生シリーズで、その破天荒な世界観に再会し、同じく
快い型破りな音楽世界に魅了されることと相成ったのだが、本作では
サビのドラマチックなメロ展開に心惹かれ、さらにはカップリング収録の
絶望少女達が紡ぐ失恋ソングEDに恋焦がれ、即決で購入決定!
(無論OPEDともに、本編映像の効果も絶大)
はたして、その決断は間違ってはいなかった...素晴らしすぎる。
超音波かアンビエントか、ひたすら繰り返されるルンバの掛け合い連呼と
マシンガンの如く攻撃的なギターサウンド。特にさらには、ラストのまさかの
哀愁漂うロマンティックなフェードアウト展開に、思わず鳥肌が立ってしまった...
実は泣きの自暴自棄ソングだったのか空想ルンバ。直球で攻める大槻ケンヂ
ならではの傍若無人な破天荒さは勿論、そのブレスの隙間に、もどかしくも
愛しき、それ以上の切ない何かを感じ取れる本作は、やはり伊達じゃない。
泣きといえばEDの「恋路ロマネスク」の大正ロマンGSソング風センスもイカしている。
「貴方のしあわせのため身を引きます」どころか「あなたがこの世に生まれなければ」...
その自棄な鬱加減が実にリアルで泣ける。こちらは他アーティストによる作品であるが、
こういう"絶望ソング"もいける。これは一度フルキャラアルバムの方も試してみるべきか。
ブラックジョーク炸裂しまくりの本編アニメは基より、このクオリティは既に神の領域かもしれない。
今後の展開も思わず期待してしまう、有無を言わせぬ大槻ケンヂと絶望少女達の勢いなのである。