ARIAシリーズOP曲も、3作目となる待望の牧野由依マキシシングル。
アニメ本編を彩る、どこまでもロマンティックな癒し系音楽であることは勿論、
少しはにかみを含んだ淡いベイビーヴォイスを包み込む、窪田ミナが紡ぐ
最早余裕の楽曲世界は、今回さらなる恍惚の領域に達した感さえある。
河井英里による、的を得た歌詞やタイトルにも毎回のように魅了される。
光る波のきらめきが、ビーズの雫のように纏いつく美しい幻想的なアレンジに、
奇蹟の水の街・ネオヴェネツィアの景色が白昼夢のように浮かびあがる。それは、
夢のまどろみの浅瀬へ誘う、あたたかくも優しく密やかな幻灯機の幻影(まぼろし)のよう。
"スピラーレ"とは、イタリア語で「螺旋」の意...まるで誰かの脳裏に静かに永遠に
繰り返されるような、そんな至福のひとときに、泣きたくなるほどの目眩を覚える。
牧野由依という初々しくも堂々たる一アーティストを育てた稀有な舞台であると同時に、
『ARIA』という白いキャンバスに描かれた、誰もが憬れる光と水のユートピアがここにある。