NYのマンハッタンに「リンカーン・センター」という文化複合施設があり、そこにはメトロポリタン
歌劇場もあれば、ニューヨークフィルの本拠地ホールも、ニューヨーク・シティ・バレエ団の本拠地
ホールもある。ジャズのためのジャズ・アット・リンカーン・センターもある。ここの芸術監督が
ウィントン・マルサリスで、彼はこの名前を冠したビッグバンド「Jazz at Lincoln Center」を組織した。
アルバム『They Came to Swing』は、彼らの1992年から1994年にかけての演奏の中からベストな
ものを選んで1枚にまとめた。エリントン関連ナンバーが3曲、ガレスピーとムンクの曲が1曲ずつあり、
ウイントン・ナンバーが2曲ある。ボーカル・ナンバーもあって楽しませてくれる。
全体としていかにもウィントン・マルサリスらしい由緒正しさあふれる演奏。アメリカの伝統的なジャズの
流れに直結し、アンサンブルは完璧。ソロ演奏は超絶技的。よくも悪くも健全で、品行方正な世界。
録音が素晴らしく、演奏会場の雰囲気が直接伝わってくる。