大好きな映画です。
ジャンルはホラーですが、逆にホラー要素が、本作品の良さを
邪魔している感じ。
途中までは、大島弓子や萩尾望都などに通じる、叙情性溢れる作りで、
思春期の少女達の、危うい心のバランスを見事に描き切っています。
恋人同士の少女2人の内の一人が、校内で投身自殺を計る。
少女を死に追いつめた、恋人だった女生徒。
死んだ少女に恋をしていた、気弱でハンサムな男性教師。
少女を陰湿にイジメていた、同級生達。
それぞれの心の闇が、美しい映像と、音楽によって
甘美な毒の波紋の様に、少女の死を彩ります。
本作品の主人公には、恋人同士の2人の少女の他に
もう一人、偶然、2人の交換日記を手に入れた事により
2人の秘密に深入りして行く少女がいます。
3人共、それぞれの演技が瑞々しく、素晴らしい。
全編、文学的なまま、終始していれば良かったのだが
ラストの数十分で、陳腐なパニックホラーの
様相を呈して来るのが、すごくもったいない。
ただし、ラストシーンで、見事に軌道修正されて来るので
観終わった後の余韻は、浸れるものがあります。