鈴木祥子さんがデビューした頃は、日本はバブルの好景気で。
その中で彼女の曲は、残念なことに、80年代の頃には陰にかくれていて、私の周囲には知っている人がいませんでした。(中学生でしたし)
中学生だったわたしも、そもそも、兄貴が鈴木祥子さんの二枚目のアルバム「水の冠」を買ってこなければ、知ることがなかったかも知れません。
洋楽、邦楽問わず、華やかな音楽がラジオや有線から流れていた時期に、派手さはないけれど、耳に心地よく入ってくるメロディーと歌声を持つ鈴木祥子さんの曲は、かえって印象に残りました。
このCDには、私が個人的に一番好きな「水の冠」が収録されていることもあって、懐かしく聴きました。
2枚組のCDには、デビューアルバムから4枚目のアルバムの冒頭分までが収録されていますけど。
本来、一枚、一枚、コンセプトも楽曲の雰囲気もみんな異なり、それぞれに味わいがあるため、アルバムごとに聞くのが好ましいのですが、過去のアルバムが入手困難な中で、一気にまとめて高音質で聴けるのもまた、いいものです。
今聴いてみて、面白いなと思うのが。
ギターの佐橋佳幸さんです。
当時、渡辺美里さんのアルバムにも、よくクレジットで載っていた佐橋さん。
それゆえロック色の強い作品となった美里さんの「BREATH」も、87年発売時にはあまり高評価ではなかったのですが、美里さんのファンの間では、「BREATH」のアルバムの評価は非常に高いんですよね。
カッコイイんですよ。
同じく、鈴木祥子さんも、佐橋佳幸さんと共にアルバムを作っているのですが、やっぱりカッコイイ楽曲になっていて、鈴木祥子さんの持ち味を生かしたものになっており、これまた聴きごたえ満点なんですが、ファンの中で評価は高いですが、世間での認知度が、ない。
でもそれが、今思うと、かえって「売れ線」音楽に流れることなく、「彼女らしさ」が出た、しっかりした曲作りでやってこれたのかなって思いますね。
オリジナルアルバムの、低い録音レベルを高くした(高音質CDなり、リマスター化するなりした)再発売をお願いしたいなぁと、改めて思いました。