学生時代にヒエログリフの教科書を読んだのが遠いきっかけだったと思いますが、素人ながら古代の文字とその起源に興味を持ち、数年かけて何冊か専門書を読んだりなどして調べていました。この本にはこれまでに得た知識の全体像の要点が大変要領よくまとめられていて、驚きました。初めて見る図版もあり、もっと早くこの本に出合っていたらと思うと、ちょっとがっかりするほどです。
理系の専門職なので、ニュートンなんて雑誌は馬鹿にしていたのですが、やはり畑違いの人間にとっては有益ですね。
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Newton (ニュートン) 2008年 05月号 [雑誌] 雑誌 – 2008/3/26
登録情報
- ASIN : B0015GD4EW
- 出版社 : ニュートンプレス; 月刊版 (2008/3/26)
- 発売日 : 2008/3/26
- Amazon 売れ筋ランキング: - 216位天文・物理関連雑誌
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年4月19日に日本でレビュー済み
ギリシア文字が数千年前地中海や黒海全域で使われていたことは広く知られているが、その起源がフェニキア文字にあり、さらに原シナイ文字と遡り(前16世紀頃)、その原シナイ文字はワディ・エル・ホル碑文(前20世紀頃)の文字を経て、何とエジプトのヒエログラフまで遡る(前32世紀)という米国イェール大学のダーネル教授の最新の学説を本特集は紹介している。
そもそも同教授はエジプト文字の起源を探していた最中にエジプトの僻地で、5千年前に古代の街道であったワディ・エル・ホルでアルファベットの原型とも言える碑文を発見した。街道警備のエジプト軍は、外国人である東方の“アジア人”との接触が多く、彼ら自身も軍内部にいたので、彼らの名前をヒエログラフの表音部分を利用して書き記したという。ヒエログラフが日本語のように表語(表意と表音両方を含む)文字であることは知られているが、まさかそこからアルファベットの原型、原カナン文字が生じたとは!
この特集は、アルファベットの起源ばかりでなく、そこから派生した種々の言語についてもわかりやすく説明してあり、語学関係者だったら保存版とも言える内容である。言語学の新しいテーマは学術研究書として時間をかけて出版されることが普通なので、非常に早い時期に本特集を組んだ出版社の進取性は高く評価されてよいのではないだろうか。
驚かされるのは、さらにフェニキア文字、アラム文字には母音がなく、子音だけを表しているという。パーリ・サンスクリット語もそうらしいが、母音表記がない言語は、なぜそれが欠如しているのか大変興味深い。アラビア文字、ヘブライ文字、タイ文字は母音を文字の上下につけて表現している。どうも表音文字は当初は子音だけから生まれ、母音を徐々につけていったり、子音文字を無理やり?母音に転用表記して発展してきたようである。とにかく刺激に富んだ特集であった。
そもそも同教授はエジプト文字の起源を探していた最中にエジプトの僻地で、5千年前に古代の街道であったワディ・エル・ホルでアルファベットの原型とも言える碑文を発見した。街道警備のエジプト軍は、外国人である東方の“アジア人”との接触が多く、彼ら自身も軍内部にいたので、彼らの名前をヒエログラフの表音部分を利用して書き記したという。ヒエログラフが日本語のように表語(表意と表音両方を含む)文字であることは知られているが、まさかそこからアルファベットの原型、原カナン文字が生じたとは!
この特集は、アルファベットの起源ばかりでなく、そこから派生した種々の言語についてもわかりやすく説明してあり、語学関係者だったら保存版とも言える内容である。言語学の新しいテーマは学術研究書として時間をかけて出版されることが普通なので、非常に早い時期に本特集を組んだ出版社の進取性は高く評価されてよいのではないだろうか。
驚かされるのは、さらにフェニキア文字、アラム文字には母音がなく、子音だけを表しているという。パーリ・サンスクリット語もそうらしいが、母音表記がない言語は、なぜそれが欠如しているのか大変興味深い。アラビア文字、ヘブライ文字、タイ文字は母音を文字の上下につけて表現している。どうも表音文字は当初は子音だけから生まれ、母音を徐々につけていったり、子音文字を無理やり?母音に転用表記して発展してきたようである。とにかく刺激に富んだ特集であった。