印象的な見開き紙ジャケット仕様は2008年リイシュー、アメリカ東海岸を中心に活動していたダストは1971年にセルフ・タイトルをリリースし、翌1972年にこの2ndアルバム「ハード・アタック」の計2作品を残しましたが、現役活動中だったのは全く知りませんでした。
「Pull Away/So Many Times」
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マイナー・コードで躍動感溢れるオープニング・ナンバーで幕を開けますが、静と動を巧く使い分けたその作風は懐の深さを印象付けさせられますし、粗削りでハードにドライヴする一方でアコースティック・ギターやピアノ(オルガン)、それにストリングスを効果的に導入し、前後に秀逸なスロー・バラード曲「タスリー・スポークン」や「アイ・ビーン・シンキン」ほか、オールディーズ調の「ハウ・メニー・ホーシス」など満遍なく並べられています。
後に大物キッスをプロデュースするリッチー・ワイズの男臭く哀愁を帯びたヴォーカルも然る事ながら、同じく後にラモーンズへ参加するマーク・ベル(同バンドではマーキー・ラモーンを名乗る)の手数が多いドラムスも聴きどころであり、唯一のインストゥルメンタル曲でパンキッシュな「アイヴォリー」も兎に角カッコ宜し〜い!!
ヴォーカル兼ギタリストである上記リッチー・ワイズとケニー・ケルナーの共同プロデュース、ドタバタするリズム隊とハード且つヘヴィなリフの引き摺り具合と言い、オーラス曲の中間部分では後にニューヨーク・ドールズへ在籍し、サミー・ヘイガーやジャーニーの司令塔ニール・ショーンとも繋がるケニー・アーロンソンのベースがブンブン唸る「スーサイド」も特筆すべきでしょう。