新鮮な響きに感銘を受けました。まったく素晴らしい。チェリビダッケ、ヴァント、朝比奈亡き今、新しいブルックナー像が求められていますが、その期待に応える名演です。弦の厚みを控えめにし、金管・木管の美しい響きを際立たせることによって、この曲の従来にはない新しい魅力を引き出すことに成功しています。テンポもゆっくりと一つひとつの音の響きを大切にしている。との楽章もすばらしく、言葉に表現できない魅力を醸し出しています。重厚・長大・深遠なブルックナー像から美しく、軽快で、等身大のブルックナー像を北欧の指揮者が運んできてくれました。この全集の企画が完成することを期待し、８番を聴いてみたい。聴きごたえ十分の演奏としてお勧めの１枚です。

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目を閉じて

すばらしい

2011年4月10日に日本でレビュー済み

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ハイブリッド盤でより豊かな音響に包まれつつ、インバル以来のスコアの深い読み込みと前任者ウルフのピリオド奏法の上にしなやかなヤルウィのメロディが響きます。九番もものすごい演奏ですが、この七番も深くかつ心に響く名演です。解説書掲載のインタビューも演奏論的に意義深い内容です。

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野火止林太郎

指揮者業界も“世襲”花盛り

2009年4月19日に日本でレビュー済み

自民党が民主党への対抗的施策のひとつとして、二世三世議員の地盤・看板・カバンの世襲に一定の制限を設ける法案を云々し出した。まあ、そこは「ご愛嬌」などということをのんびり言っていられる世相でもないのだが、所詮は口だけであろう。

指揮、音楽などというキビシイ世界では、稀な例を除いて世襲なんぞの余地はないと思われるのだが、このヤルヴィのほかにも、ヤンソンス、ザンテルリンクといった親子たちが同じ道を歩んでいる。これらはクライバーなどと共に「稀」なる例なのだろうが・・・。
大阪フィルは、当初、朝比奈隆の息子、千足が継ぐといわれていたが、そんな無体なことにはならなかった。

では、このヤルヴィは？　はっきり言ってこの息子のベートーヴェンなどはまったく評価できない。オヤジのネーメ・ヤルヴィはショスタコーヴィチやシベリウスなど第一級の指揮者だったが、息子は三流以下だと思ってきた。それでも、このブルックナーを聴いてみた。無視してもよかったのだが。

耳にした演奏は、案外好感を持てた。とは言え、聴くべき名演だとかそういうものでもなく、オケが少し薄っぺらいなというのと、金管の抑制にはそれなりの定見もあるなという程度のものだ。ピリオド奏法とか、新スコアとかには、まるで興味も知識もないが、その点での違和感はほとんどない。いま流行の言い方で言えば、「普通に聴ける演奏」というところだ。

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ブルックナー:交響曲第7番

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