KAT-TUNの今回のアルバムはすごくイイと思いました。
アイドルって、歌も演技もダンスもやる分、どれも中途半端になってしまうように感じるし、特に音楽に関しては、プロのアーティストと違って、「自分のスタイル」と言うよりは「作ってもらった曲」を歌うという印象が強いので、シングルは好きでもアルバムになると微妙な曲がそろっちゃう、曲の良い部分を引き出せていないと言うか・・・そういうイメージがありました。
前からKAT-TUNを知っていたもののそんなに興味はなかった私ですが、DON'T U EVER STOPでKAT-TUNって以外に歌うまいのかなと感じ、今まで出されたアルバム、シングルを聞いてみました。
今回の、曲調もバラバラでいろんなスタイルの楽曲が収録されている中、彼らの根本の部分に共通性があって、やはり力強さを感じるというか。KAT-TUNが嫌いという人も、案外好きかもと思えるかもしれません。(ちょっと褒めすぎかしら・・)
ただ、やはり専門的に歌手活動をしている訳ではないし、発声やハモリのズレ、無理に高い音程で歌う曲などもあるため、ツメが甘いと感じる方、音楽好きの方はお話にならないと感じる方もいるかもしれません。
でも、試しに聞いてみるには良い作品だと思います。
個人的には「何年たっても」や「SHOT!」、「MOTHER/FATHER」、「12o'clock」がお気に入りです。
「何年たっても」はたぶん中丸君のパートが多くサビは赤西君と歌っています。ミディアムテンポでイントロは小田和正さんの曲のような感じ。二人の声質が似ていて優しい歌い方、音のズレを赤西君がバックでカバーしている感じ。恋に奥手な男の子のはがゆい微妙な心境を歌った曲です。
「SHOT!」はジャズナンバーで、ジャニーズだけでなくポップス歌手にも珍しい曲調だと思います。勢いがあってなかなかイイです。自分の生き様を力強く歌った歌。
「MOTHER/FATHER」は別の方もかかれていましたが、感謝の気持ちを歌った歌詞に惹かれます。
KAT-TUNのシングルでは今までにない曲調。実際に歌っている表情を見てみたいです
「12o'clock」はテクノポップに近いのかな?声にエコーがかかっていて、個人的にはサビよりもAメロBメロの方が好きです。赤西君亀梨君がメインです。ライブかなんかでかかったら盛り上がりそう。
その他にもAFFECTION 〜もう戻れない〜での切ないR&B、TABOOの吸血鬼を連想させるような不思議さのクラシカルな曲、OUR STORYでのフェイクが際だつバラード、HELL, NOのラップが格好いいダンサンブルなロックナンバー、DISTANCEの短調な曲(ちょっとひどいですが・・・)、愛のコマンドのハードロックなど、いろんな曲が収録されています。
亀梨君の少しハスキーな力強い歌声、赤西君のいろんな声を使い分けられる表現力と安定感をもった歌唱力、田中君のラップ、田口君はポップな曲が似合うと思うし、上田君の意外に優しい歌声、中丸君の切なさを含んだような歌い方、6人それぞれの個性が出ていると思います。
欠点もたくさんありますが、前より成長してると思います。
前回のアルバムも聞いてみてそれもいろんなジャンルの曲調にチャレンジしていますが、やはり表現や曲の重みに欠けるかな(全体的に軽く聞こえる)と思っていました。
ファーストアルバムは、まだまだ小生意気なやんちゃもんと言う感じで別に悪くはないですが成長過程というか、今に比べるとまだまだ若い故に良い意味でも悪い意味でも幼さを感じます。
今まで出されたシングルがワイルドでクールでロック色が強く、まさに彼らに貼られたレッテルを強調するような楽曲が多いですが、アルバムではゆったりした曲、ポップな曲、バラードも歌っています。KAT-TUNに対してのイメージが少し広くなると思います。