71年発表の2nd。前作にあったゾンビーズの後裔的なサウンドに加えて、後の作品に顕著に現れて来るプログレッシヴな志向の大作4.などを含んだ作品。
1.はどこか西海岸風の雰囲気を感じさせる明るい曲。コーラス・ワークが爽快で美しく、軽快なピアノも素晴しいが、何よりも開放的な楽曲そのものが素晴しい。2.はエレピのバッキングによるジャズ/ブルース調の曲だが、従来の彼らの楽曲の中ではかなり洗練された印象を受ける。4.もブルース・ベースの曲だが、オルガンの使用頻度が高くそれらとは明らかに一線を画している。コーラス・ワークやそのオルガンの雰囲気からどうしてもユーライア・ヒープが思い浮かぶが、彼らの方が淡白でクセがない。バロック調のピアノ/オルガン・ソロなどプログレ・ファンには堪えられない仕上がりだと思う。5.はゾンビーズをクールにしたかのような曲。ブルージーな雰囲気だが、ちょっぴりのジャズ・テイストのエレピが良いさじ加減になった佳曲。6.のバロック調のオルガンもたまらん。こちらは美しいバラードの名曲だ。
楽曲そのものの出来を含めて前作と比べるとかなり垢抜けした印象があり聞き応えは十分。アージェントの最初の一枚に最適な彼らの魅力がギッシリと詰まった名作。