毒性の強そうなシンセの音に絡む歌声は、妙にソウルフルだ。
このアルバムを僕が買ったのは、ビーチボーイズを一通り揃えようとした頃だから、結構前だ。
あれから時を経て、今聴くと、一番不思議な感じのする作品だ。
その理由は、ここには、確定的な時代の匂いが、まったく香ってこないからだ。
いったいこれは、いつのアルバムだったっけ。
70年代?
80年代?
答え:77年
え〜!?
うっそー。
強烈な個性を振りまいているにもかかわらず、なぜかぼやけていて、いつどのように存在したのかわからない。
この眩暈の感覚を、味あわせてくれる作品は、めったにない。