ハイペースでリリースを続ける、クロアチアのインスト・バンドによる4th。Acid Mothers Templeから河端一/津山篤の両名が参加し、完全にぶっ飛んだサイケデリック絵巻を展開した前作とはまた全く別モノの音編成。Guitar/Bass/Drum/Sax・Keyの4者で上程されるのは、より即効性の高いグルーヴィ・スペース。
フリーキーに揺れる爆音Saxへ、クラウトロック寄りの硬いリフ/リズムを掛け合わせるオープニング"Fluxion"。Mogwaiの"Fear Satan"めいた旋律で掴み、ひしゃげたギターの爆音と共に狂騒が全体を呑んでいく展開は極めて速く、熱い。昂揚中枢へ的確な切り込みをかけるタイトなアンサンブル。スピーディな反復構成で小躍りしたくなるような熱量を溜め込みながら、一気に輝かしい爆音の狂喜へと飛び込んでいくサマに思わず笑みが浮かんじまう。
邪悪な音響/ビートの変拍子/中近東めいたsaxの怪気炎/ファズ、ディストーション、クリア・ディレイによる一斉解放/硬質なリフ/ポリリズム/メルトする空間/ジャズ/プログレ/マスロック/サイケデリックetcetcetc...
こんだけのファクターが目まぐるしく入れ替わって進行し、息つく間もなく展開する。拡散、収斂、爆発、捻転、暴力、情動、歓喜に狂喜と、インスト・ロックの醍醐味を超ナチュラルに叩きつける楽曲群は、ハッキリ言って物凄くハイレベル。個人的に好きなツボを押しまくられる、絶品ウマウマな好盤。
※今作は表面がCDで裏面がDVDというヘンテコな仕様になっており、DVDには06年12月のZagrebでのライブ模様が30分超収録されている。