昔、ダスティン・フォフマン主演「レインマン」を観ました。
子供心に兄弟愛やレインマンの最後の歌に感動したのを覚えています。
その時は単なる感動的な作品の一つでしたが、今回改めて「人間の可能性とバランス」というものを考えさせられました。
リアル・レインマンのキム・ピーク氏はサヴァン症候群であり、人間の無限の可能性を感じさせてくれます。記憶力は想像を絶するものがありました。
サヴァンとはフランス語で「賢人」を意味する言葉で、精神発達遅滞や自閉症などの障害を持ちながら、ある特定の分野に関しては常人では考えられないような高い能力を発揮する人を指します。
特にこのキム・ピーク氏は100年に一人現れるかどうかの非常に特殊で突出した能力を持ったサヴァンらしいです。
キム・ピーク氏は脳梁がないらしく、右脳と左脳を神経が存在しないことということです。
しかし、興味深く観ていられたのはこの辺りまでです。
コンピューター並みの記憶力を有する彼が、人と話したり、日常の生活などの場面を映し出しました。
ありのままのキム・ピークという人間を知ると、非常に悲しい気持ちになりました。
欠落による欠損。
欠落による天稟。
その二つが同時に内在するキム・ピーク氏とそれを取り巻く人間に悲しみを覚えました。(DVDを見ている自分も含めて)
人が生きるということを他人が見ると、そこには何か滑稽なものや悲しみが常に見えるのかもしれません。
さまざまな研究者が彼を研究対象として扱い、人間の可能性を模索し続けることがキム・ピーク氏にどのような影響を与えているか疑問が起こりました。
キム・ピーク氏は幸せなのでしょうか?
僕にはわかりません。