既発シングル3曲+書き下ろし8曲+6thシングルRemixの全12曲を収録した5thアルバム。
メンバーの成長が窺えるのは勿論、それぞれの声質の特性を今まで以上に上手く活かした作品集に
なっている印象。初出の楽曲群には、単に無邪気な恋愛や学生生活を歌った類いのものが一つも
無く、オトナの気配もチラチラと見え隠れする1枚に。
『HAPPY! Stand Up』はリフレインで押し捲るシンプルだがタフな70'sディスコ調ナンバー。
メンバーのうっすら熱を帯びたヴォーカルが効果的に配置され、幼い頃は誰でも知っていた筈の
言霊パワーを秘めたキーワードを思い出せと迫るような歌詞もキマっている。激しくお薦め。
嗣永&徳永&須藤がフレッシュに歌う『この指とまれ!』はホーンが煌めく爽やかチューン。
これもお薦め。清水&夏焼&熊井&菅谷の斜に構えた歌唱が熱い『バカにしないで』はこってり
アレンジのシンセ・ロック歌謡。今回3曲でコーラスも担当している清水だが、ここでの仕事は
一際光る。清水&嗣永コンビで送る『Ah Merry-go-round』はセリフで始まるしっとりR&B的
楽曲。グループ・サウンズのアルバム曲にありそうな『CLAP!』は、アコースティカルに響く
長閑なポップ・ソング。きっちり手綱を取る夏焼&アッケラカンと可愛い徳永&絶妙な揺らぎが
癒しを運ぶ熊井の組み合わせが良い感じ。これまたお薦め。菅谷ソロ『REAL LOVE』は緊張感の
ある哀愁のR&B歌謡。“Berryz仮面”名義の『夢を一粒〜』はおセンチなタンゴ調小曲。
ソロを取る須藤の切々とした歌唱が楽曲にハマっており、またもやお薦め。『BE』は厳かに
盛り上がるオーケストラ風アレンジの合唱曲。アルバム最終曲となる、ハード・ロックやテクノ、
トリップ・ホップにガムラン等を投げ込んだゴッタ煮のような『スッペシャル〜』のリミックスは
正直な所蛇足だと思う。
付属の特典DVDには、品川ステラボールで行われた17thシングル発売記念イベント「Berryz
工房フェスティバル〜2008夏」の模様を45分間に渡って収録。メンバーが3チームに分かれての
ゆるゆるなゲーム・バトルや、『行け 行け モンキーダンス』と『マジ グッドチャンス サマー』の
2曲を披露。