「セブンス・カース」と同年の1986年の作品。「セブンス〜」では2人とも「特別出演」といった感じの脇役で共演しているが、こちらはファンが抱いていた当時の2人のイメージそのままに、がっぷり四つに組んでいる。現在では2人とも国際的なスターになってしまい、そんじょそこらの作品では共演はかなうまい。しかも、ストーリーはいかにも80年代の香港映画。日本映画では考えられない結末は、当時の香港映画では珍しいものではなかった。
両親を亡くした兄妹という設定は、今日から始まる「ぼくの妹」と重ならないでもない。包容力のある優しい兄を演じるチョウ・ユンファは、韓流ブームの前に華流ブームがきていれば絶対にヨン様以上のチョウ様ブームを巻き起こしたはず。もっとも、「亜州影帝」を前にそういう比較は失礼か。マギー・チャンも前半こそ「ポリス・ストーリー」のおきゃんなイメージだが、後半では「ロアン・リンユィ」以降、見せるようになった大人の魅力を垣間見せている。面白いとか感動するとか、この作品を純粋に鑑賞することは難しい。あくまでも20年以上前に2大スターが共演していたという観点で楽しむべきなのだろう。チョウ・ユンファとマギー・チャンのベッド・シーンがあることでもファンにとっては貴重な作品といえるかもしれない。