莫大な制作費をかけたにもかかわらず映画がまったくヒットせず上映打ち切りで、映画会社を倒産させたことで有名なチミノの問題作。
チミノ監督は絵作りにこだわる監督です。そのセンスが遺憾なく発揮され、全編にわたって画面構成がとても絵画的な美しさに溢れています。最初の卒業式の場面、移民たちのダンスシーンなど群衆の場面も素晴らしいし、農民たちが農作業をする光景の描写なども、19世紀くらいの写実主義の絵画のよう。『ディア・ハンター』と同じく、小物ひとつにもこだわった完璧なセットです。
しかし、チミノ監督は自分が気に入っている場面はやたら長々と映します。そして長すぎるシーンが多い一方で、登場人物や物語の展開についての説明は圧倒的に不足しています。登場するキャラクターたちの心理が見えづらい。
クリストファー・ウォーケンが演じた殺し屋ネイトは、この映画に登場するキャラクターの中で、唯一魅力的です。言動の一つ一つに、彼の生い立ちや、どこか不器用な生き方が垣間見えるのです。そのことによって、生き生きしたキャラクターになっています。
一方、クリス・クリストファーソンが演じた主人公のエイブリルは、優柔不断で時として冷たい性格に見えます。このような人物に見えるのは、もしかしてクリストファーソンの単調な演技のせいかもしれません。なんか見てて退屈なんですよね、クリストファーソンの演技って。
クリス・クリストファーソンは、アメリカン・ニューシネマ全盛の時代にスターとしてのキャリアを築いた俳優です。どうやら、この映画はアメリカン・ニューシネマを意識しているようです。そう思った理由は、ネイトとエラの死に方にあります。
二人の死はそれぞれ別のタイミングで訪れますが、共通するのは、二人とも銃撃によってハチの巣状態になる最期というところです。そう、単純な連想ですが、『俺たちに明日はない』のボニーとクライドですね。さらに、エラは銃撃されたとき、ボニーと同じように白い服を着ています。
アメリカン・ニューシネマで若さと無軌道さを爆発させるヒーローを演じたクリス・クリストファーが、この映画では、最後に一人生き残る初老の男を演じるのです。
チミノ監督のキャスティングのセンスが光ります。
天国の門 [DVD]
¥2,980 ¥2,980 税込
仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
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フォーマット | 色, ドルビー, 字幕付き, レターボックス化 |
コントリビュータ | ジョン・ハート, マイケル・チミノ, クリス・クリストファーソン, クリストファー・ウォーケン |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 3 時間 39 分 |
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商品の説明
アメリカ映画史を揺り動かしたマイケル・チミノ監督が描く衝撃の問題作。幻のオリジナル完全版!!
<キャスト&スタッフ>
エイブリル…クリス・クリストファーソン
チャンピオン…クリストファー・ウォーケン
アーバイン…ジョン・ハート
監督・脚本:マイケル・チミノ
製作:ジョアン・キャレリ
撮影監督:ヴィルモス・シグモンド
●字幕翻訳:高瀬鎮夫、菊地浩司
<ストーリー>
西部の大開拓時代のワイオミング。自由の国アメリカに希望を求めて次々と入植してくる東欧系移民たち。しかし、先住民にとって、移民達は牛泥棒と無政府主義者であり、彼らの生活の破壊者でしかなかった。牧場主は125名の開拓移民の処刑リストを作り、殺し屋を雇った。ここに、西部開拓史上で最も悲劇とされる“ジョンソン郡戦争”が勃発する──。
<ポイント>
●219分のオリジナル完全版
●アメリカの暗部とされている西部開拓時代の階級闘争を、「ディア・ハンター」のマイケル・チミノ監督が壮大なスケールと完璧な時代考証で描いた問題作。
<特典>
●オリジナル劇場予告編集
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988142692023
- 監督 : マイケル・チミノ
- メディア形式 : 色, ドルビー, 字幕付き, レターボックス化
- 時間 : 3 時間 39 分
- 発売日 : 2008/9/26
- 出演 : クリス・クリストファーソン, クリストファー・ウォーケン, ジョン・ハート
- 字幕: : 日本語, 英語
- 販売元 : 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- ASIN : B001CT6MHI
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 207,517位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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5つのうち3.7つ
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イメージ付きのレビュー
4 星
名作です。
ディア・ハンターと並ぶか、それ以上に。最初の卒業式からラストの銃撃戦まで、とにかく回り続けます。銃弾が飛び交う中、馬を駈るユペールに胸が熱くなるのです。でもジャケはこっちが良かったなあ。で、-1★。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年1月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画自体はかなりの大作にして名作だと思います、失敗はDVD盤を買ってしまった事、今時旧式のブラウン管テレビ向けの映像サイズのソフトを売っているとは!それに驚きました、どうせ買うなら是非BDをどうぞ
2020年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカという国の過去と現在がわかる映画。しかし映画であるとすればもっと描くことがあるはず。天国の門という名のローラースケート場や貧しい移民など描き切れていない材料が残って何か不満感がある。
2020年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
短大の頃、クリストファー・ウォーケンが大好きで、当時ビデオソフトが高価だったので、レンタルビデオでみました。
就職してから忙しく、あまり映画を観なくなっていましたが最近、時間ができたので、懐かしくて、最初DVDを購入。
ところがDVDは、映像がテレビ画面の上下左右が黒く額縁状態・・・。
なので、Blu-rayで再購入です。クリストファー・ウォーケン演じるネイト・チャンピオンは、とっても魅力的ですが主人公はイマイチです。
全体的な話もそんなに好きなわけではありませんが、クリストファー・ウォーケンがとにかく素敵なので星5つです。
就職してから忙しく、あまり映画を観なくなっていましたが最近、時間ができたので、懐かしくて、最初DVDを購入。
ところがDVDは、映像がテレビ画面の上下左右が黒く額縁状態・・・。
なので、Blu-rayで再購入です。クリストファー・ウォーケン演じるネイト・チャンピオンは、とっても魅力的ですが主人公はイマイチです。
全体的な話もそんなに好きなわけではありませんが、クリストファー・ウォーケンがとにかく素敵なので星5つです。
2018年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本日Blu-rayが届いたのですが、中身を確認してびっくり!
予約開始時点では確かに収録予定となっていたはずの、
日本語吹替えがなんと未収録ではありませんか!!
予約したきり確認しなかった当方の責任かもしれませんが、
仕様変更の連絡がAmazon₍もしくは小売店₎からあるわけでもなし、これはあまりに不親切というか、
少なくともマグザムさんにはもっと積極的に告知していただきたかったです。
予約開始当日に予約したにもかかわらず本当に裏切られた気分です。
返品するかどうかはまだ考え中です。なにせ作品自体は素晴らしいだけに…。
しかし正直な話、吹替えも収録されていないBlu-rayに7300円は適正価格なのでしょうか!?
予約開始時点では確かに収録予定となっていたはずの、
日本語吹替えがなんと未収録ではありませんか!!
予約したきり確認しなかった当方の責任かもしれませんが、
仕様変更の連絡がAmazon₍もしくは小売店₎からあるわけでもなし、これはあまりに不親切というか、
少なくともマグザムさんにはもっと積極的に告知していただきたかったです。
予約開始当日に予約したにもかかわらず本当に裏切られた気分です。
返品するかどうかはまだ考え中です。なにせ作品自体は素晴らしいだけに…。
しかし正直な話、吹替えも収録されていないBlu-rayに7300円は適正価格なのでしょうか!?
2018年12月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
テアトル東京の最終上映作品である。
それだけに入れ込みのある作品ではあるが、ユナイト映画を崩壊に追い込んだ作品でもある。
8時間から9時間の大作と聞いたこともある。
ブルーレイの画質や音質はイマイチ。
音楽だけならサントラCDの方が良い。
やはりシネラマの大画面でもう一度観るべき作品かもしれない。
それだけに入れ込みのある作品ではあるが、ユナイト映画を崩壊に追い込んだ作品でもある。
8時間から9時間の大作と聞いたこともある。
ブルーレイの画質や音質はイマイチ。
音楽だけならサントラCDの方が良い。
やはりシネラマの大画面でもう一度観るべき作品かもしれない。
2017年6月26日に日本でレビュー済み
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最初にCSで見ました。元々友人からは、オリジナルの方が良いと聞いていたので、見終わったときまずこれを2時間にはきついなと言う感想でした。
確かに長い、でも余り長さを感じませんでした。むしろおもしろいと言うのが率直な感想です。
映画館の回転率を上げ収入を増やそうが映画会社の意図だったようですが、そもそも脚本の段階で長さが予測出来たのではないか、着るならその段階で
と言うのが素人ながらの考えです。
しかし、このまま上映してヒットしたかは別の話です。アメリカの暗い歴史を堂々と描いたと何かの本で読みました。正直他の国で通じたのかは疑問です。
しかし、物語には引き込まれました。その後2回見直しました。私的には非常に良い映画という感想です。周りの人にも見るように伝えています。
マイケル・チミノが亡くなってしまったのが惜しいです。きっと何か作りたい素材をかかえていたような気がします。彼の失敗作と言われていますが、どちらかというと会社側の失敗だと思うのですが、映画は監督の物と言われているようなので仕様がないのでしょう。
もっと他の映画も見たかった。(何かの本で、本人のインタビューが出てましたが、もういいよその映画はと言って途中で切ってしまったようです。是非かかえている映画の構想を聞いてほしかった)
確かに長い、でも余り長さを感じませんでした。むしろおもしろいと言うのが率直な感想です。
映画館の回転率を上げ収入を増やそうが映画会社の意図だったようですが、そもそも脚本の段階で長さが予測出来たのではないか、着るならその段階で
と言うのが素人ながらの考えです。
しかし、このまま上映してヒットしたかは別の話です。アメリカの暗い歴史を堂々と描いたと何かの本で読みました。正直他の国で通じたのかは疑問です。
しかし、物語には引き込まれました。その後2回見直しました。私的には非常に良い映画という感想です。周りの人にも見るように伝えています。
マイケル・チミノが亡くなってしまったのが惜しいです。きっと何か作りたい素材をかかえていたような気がします。彼の失敗作と言われていますが、どちらかというと会社側の失敗だと思うのですが、映画は監督の物と言われているようなので仕様がないのでしょう。
もっと他の映画も見たかった。(何かの本で、本人のインタビューが出てましたが、もういいよその映画はと言って途中で切ってしまったようです。是非かかえている映画の構想を聞いてほしかった)
2020年9月28日に日本でレビュー済み
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最も好きな映画は何かといえば、世間では不人気の『天国の門』。
凝り性のマイケル・チミノ監督によるこの作品は、制作会社の経営危機をもたらせてしまったが、19世紀末に起きたジョンソン郡戦争を題材にしているだけに、アメリカ史の恥部を暴いた影響もあって、この超大作が本国でも不人気だったという。
切なく哀愁を帯びた何とも言えぬこの映画のムードは、タイトルに相応しく、何度繰り返し見てもあきることがない。
最高傑作だと思う。
凝り性のマイケル・チミノ監督によるこの作品は、制作会社の経営危機をもたらせてしまったが、19世紀末に起きたジョンソン郡戦争を題材にしているだけに、アメリカ史の恥部を暴いた影響もあって、この超大作が本国でも不人気だったという。
切なく哀愁を帯びた何とも言えぬこの映画のムードは、タイトルに相応しく、何度繰り返し見てもあきることがない。
最高傑作だと思う。