ずっと好きです。毎回ちょっとずつ違う、けどまぎれも無くモグワイ。
今回もいいです。
モグワイの音像はなんというか、抽象的な心像風景のような気がしていました。
ロードムービーを見ている様な気持ちでいました。車窓から見てるというか。
だけどこのアルバムを繰り返し聞いてみると、もっと具体的で確信的な音であるように思いました。
打ち込み、ギターのフィードバック、鍵盤。 ちょっと新しい。
一聴すると今までのモグワイ節。
目を閉じて、音に身をまかせて揺らめいていると、大空を飛びながら、大地を見下ろし、空気を切り裂きながらゆっくり大きく旋回している鷹の様な気持ちになりました。
だけどある瞬間にそれまでの景色が一変して、もっと近くに、はっきりと何かを見た様な、確認して理解した様な、そんな気がしたのです、、、。ただ静から激動へというんじゃなくて。
分かり難いですね,,,。
それがなんだったか、何かものだったか、獲物だったのか、はたまた誰かの気持ちだったか、何か概念のようなものだったのか、、。
未だ分かりません。それぞれでしょうから、、。
ミクロからマクロへ、一気にズームインする瞬間!! 僕はそれを感じてしまいました。
1000メートル上空から、野原に遊ぶウサギを発見し、一気に急降下して、鋭い爪でがっちりと捕らえた!
もしくは逆説的に上空から、何か大きくて強いものが飛んで来て、ぐっと掴まれた。ような。
きっとこれはバンドも意図しているに違いない。
一音一音が意思によって磨かれている。
若いときには気がつけない。きっと、、。若いときには鳴らせない。音。
もうすぐアラフォーな、僕。毎日悩みのつきない、煮え切らない、一歩進んで一歩半下がる的な、、僕。
そんなもろもろを包むと言ったら大袈裟なんだけど、少し持ち上げて、世界はそんなもんだ。とフォローアップしてくれる。メルトダウンしてくれる。
僕に取ってこれはレディオ ヘッドのIn Rainbowsと似た、究極のカンフル剤だし、癒し。(大嫌いな言葉だけど)
聴くたびに深度を増し、明瞭度というか、視界が深くクリアになる。そんな感じ。
湛然に塗り重ねられた音だからこそ、感じられること。