Jazzという音楽を端的に表した言葉として、「ジャズと自由は、手を結ぶ」(Jazz and Freedom go hand in hand)という至言がある。この言葉こそ、だれあろうセロニアス・モンク自身に拠るものである。 本作が吹き込まれた1954年は、米国では、Prestige専属時代で、不遇を託(かこ)っていた時期だ。しかし、米国から来た不遇かつ無名であった彼の演奏をパリの人たちは、敬意を払って迎えたのだろう。それに応える本作の演奏は、「ジャズと自由は、手を結ぶ」にふさわしいものとなっている。 Monkの作品は、Soloで聴くべきと言った人の慧眼に今更ながら、敬意を表したい。