緩やかでだるい(笑)です。全編、歌なしの演奏のみ。ゆったりしたテンポの中で時折見られる鋭角的な音使いがなかなか面白いのですが、しかしやはり、二枚通して聴くと、眠い(笑)、飽きる(笑)。
まぁ、「二枚通して」だと眠くて飽きるのも無理はなくて、一枚目の後半、8トラック目のボーナス・トラックからは、既存の音源の使い回し。「反転」とか「ハーフ・スピード」とかって…。人を馬鹿にしとんのか(笑)。じっくり本編と聴き比べたわけではないので(そうしようとすると眠くなるし飽きる)、本当にマスター・テープを「反転」させているのか、1/2の速度で再生しているのか、確とした事はわからないのですが。アルバム本編の評価を下すときには一枚目の7トラック目までで判断するのが良いかと。
普通の音楽というのは、そこそこ躍動的で、そこそこ親しみやすい旋律があって、時には、そこそこ耳に馴染む歌が入っていたりする、そういうものだと思うのですが(そもそも普通ってなんだよ、と、言われたら返せる言葉はないのでありますが(^_^;)、ここでの二人の音楽はそう言った、ある意味予定調和な音楽のセオリーを無視していると言えます。(まぁ、一部のフリー・ジャズや前衛音楽みたいに無茶苦茶なことはしていないんだけど。)なんと言いましょうか、永遠の無限(笑)、みたいなものを音で表現しているようにも聴こえます。
多分、フリップ&イーノの二人は、もっとさり気なく聴いてもらうことを意図していたのではないでしょうか。眉間に皺寄せて息を詰めて聴くような、そんな接し方は拒否しているようにも思えます…。(いやまぁ、そういう聴き方はしてはいないんですけどね。(^_^; あくまで比喩ね。)