私は所謂ゲーム通ではありません。
植松氏の名前こそ知れど、坂口氏の作り上げてきたFFシリーズは全て未プレイである。
こちらでの評価が良いから購入しただけであって、御両人が云々とか述べるつもりはないことをご容赦願いたい。
・物語に関して
単なる不死者から千年を生きる者と判明し、そして最終的に使命が加わる。果たしてその使命とは。
我々人間からしてみれば、千年を生きる者が何を考え行動しているのか全く想像できない。
ましてや主人公が記憶喪失とあらば、それを何としても解き明かしたくなる。
所々に挿入される不可解な映像や過去の記憶がひとつに結びついた時、
段々と明るみになってくる物語は、見事な構築としか言いようがない。
・戦闘に関して
コマンド式のターン制という王道ではあるが、
そこにGC・エイムリングシステムが加わり、より一層の思考と緊迫感が与えられた。
GCは、前衛後衛の本来在るべき姿をシステムにしたようなもので、
エイムリングシステムはゲーム終盤になっても6,7割成功するかしないかという位、精密さを要求される。
従来のシステムにこういう付加的要素を加えると大抵は物珍しいだけで段々使わなくなるものだが、
このゲームの場合、進めば進む程その重要性・必要性が増してくる。
戦闘一回一回が経験になる良い例だった。
・音楽に関して
かなり良い曲が揃っていた。
音楽が少なからず人間の感情を左右する以上、シーンごとのメリハリは必要不可欠である。
その点このゲームの音楽はどれも素晴らしいものばかりであり、
多くを占めるオーケストレーションに関しても実に見事だった。
とりわけ千年の夢に使用される音楽の数々は、非常に良かった。
恥ずかしい話ではあるが、衝動的にサウンドトラックを購入してしまった程だ。
・システム(千年の夢)に関して
千年の夢というシステムは実に見事だ。敢えて映像では見せず文字だけで起こし、
主人公の中に微かに残った記憶を表現することで、情景をプレイヤーに想像させるのだ。
どの夢も一切手を抜いていない内容で、ぐいぐい引き込まれてしまった。
・総評
物語・音楽・システム・映像のどれを取っても満点をあげられる内容だった。
序盤からエンディングまで、万人が楽しめるように作られたものだと私は思う。
強いて言えば、この個性的なキャラクター達を受け入れられるかどうかではないか。
XBOX360を所持していて未プレイの方がいらっしゃるのであれば、是非一度プレイして頂きたい。