未だに根強い人気を誇る、アニメ天才バカボン・シリーズ。 一作目のバカボンに比べ、よりナンセンスな路線で、全103回の長寿番組となった。 この息の長い人気の秘密は、演歌調とシンセをうまくミックスした、テンポのいいキャッチーなBGMにあった!時代劇の劇伴や、「巨人の星」、「アタックNo.1」 などスポ根アニメ音楽で大家となって渡辺岳夫が、満を持して取り組んだ初のギャグ・アニメがこの「天才バカボン」だった。演歌・ムード歌謡の要素をうまく取り入れた「ナベタケ節」に加え、パトカーのサイレンの音を楽曲に被せてとぼけた味を出したり、ミュート・トランペットのコミカルな音でバカボンたちが歩く時の雰囲気を出したり、バカボンですっかり有名になったジョーハープによるボヨヨン音、大正琴、オートワウ、マリンバなどキッチュな楽器をふんだんに駆使して、バカボン・ワールドを音で表現している。
続編「元祖天才バカボン」(75年)の劇音楽はこれが初商品化。クラシック名曲を改変したギャグ音楽やこの2作と同じ鈴木清司が選曲を手がけた「新ルパン三世」(78年)などに流用された耳に馴染んだ楽曲の登場に思わず頬がゆるんだ。(大塩一志)*一部抜粋 --「レコード・コレクターズ」、2009/02/15
【渡辺岳夫】:アニメ以外にも時代劇、映画などの音楽を手がける押しも押されぬ大作曲家。アニメでは上記作品以外にも、「魔法のマコちゃん」「原始少年リュウ」「赤胴鈴之助」「キューティー・ハニー」「荒野の少年イサム」「アルプスの少女」「魔女っ子メグちゃん」「フランダースの犬」「キャンディ・キャンディ」「あらいぐまラスカル」「家なき子」「機動戦士ガンダム」など多数。