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全く知らないアーティストだったけれど、店頭で試聴し即購入。
日本人アーティストのCDでは久しぶりのことです。
基盤にあるのは、近頃日本で氾濫しているジャジーでメロウなヒップホップといったところ。
ありがちなわりにそこまで気に入る曲に出会えないので多くは聞いていないジャンルですが、
このCDには一発で引き込まれるインパクトと深みを感じます。
傾向的に被るであろうNujabesと比べると、よりシンプルでメリハリが効いたサウンド。
Nujabesの作品で言えば2ndより1stに近い印象を受けます。(2ndはあまり聞き込んでもいないのですが…)
個人的に今まで聞いたこのようなジャンルの音楽ではSUBURBANが一番好きです。
また、ヒップホップの枠に収まらない幅広い音楽性も魅力。
特に「Sky High」はこれまた今時無駄に量産されているオシャレハウスの括りに入る曲ですが、
曲に抑揚もあるし少し乾いた印象のヴォーカルもいい塩梅でかなり上質な曲に仕上がっています。
最近めっきりただスムースで耳馴染みのいい曲ばかり作るようになったfreeTEMPOやDAISHI DANCEと比べ、
はるかに聞き応えのあるハウスを聞かせてくれますね。
完璧にハウスなこの曲の存在はアルバムのアクセントにもなっていて、とても良いです。
あとは「雲水」もかなりのお気に入り。
オリエンタルな音色のこの曲は、パーカッション主体ながら広がりのある幽玄な音空間を作り出しています。
「Summer Time」のBeach VersionとSunset Versionは隙の無い正統派レゲエと正統派ダブで、
どこまでやってくれちゃうんだと感動しっぱなし。
またまた日本でありがちなジブリ曲カバーの「ほしふるよるに」もかなりいい。
原曲メロディの良さを完全に活かしながら、音は紛うこと無きJAZZYヒップホップ。
ジブリリミックス企画ははずれが多いけど、この人たちにジブリカバーアルバムを作られたら確実に買います。
こんなに「ありがち」な要素満載なのに、完成した作品のクオリティとオリジナリティは「唯一無二」。
全音楽ファンに聞いてもらいたいと言える一枚です。
