書籍版を全巻揃えたかったのですが、入手難易度的にも置き場所的にも厳しかった為、安くなっていたこちらを購入しました。
□書籍版との違い
・全体の流れ
書籍版は申し訳程度にその巻のテーマが決まっているものの、基本的にバラバラと問題が出されます。
こちらは旅行中の登場人物が出会った人の話や、思い出話といった流れで出題されます。
よって一部の問題の設定も変わっておりますが、本質的には変わっていません（人の変わりに犬を並べる 等）
・イラスト
白黒で多少癖のある絵柄から、カラーの可愛らしいものになっています。
・その他
音楽つき、数問おきに進む簡単な物語、まえがき・あとがきやおまけページがない等、
ゲームならでは、またはゲームではしかたがない違いがいくつかあります。
□書籍版より良い点
・ヒント機能
どうしても解けないけど答えを見るのが悔しい！というときにワンクッションもらえるのはありがたいです。
・イラストの増加
書籍版では問題によってあったりなかったりでしたが、こちらは１問につき出題・回答用のイラストが2枚必ず用意されています。
問題によっては説得力が増していると思います。
・一部問題は操作可能
線を引く、マッチ棒を動かす 等のなにかを動かす問題は、専用のインターフェースが用意されています。
物を用意せずに実際に動かす事ができる為、手間が省けます。
・あとで解く、評価する
書籍版は右ページが前ページのが答えになっているため、後で解きたいときに答えを見ずに次の問題へ進む事がとても面倒でした。
こちらはボタンを押せばすぐに飛ばして次へ進めます。
また、問題を解くと問題の評価ができ、後で気に入った問題や不正解だった問題のみを解く といった事ができます。
□悪い点
・メタ問題の削除
書籍版でたまにでてきて面白いのが、「書籍であることを逆手にとった」問題です。
白黒印刷ならではの問題、上記の次ページが回答なのを利用した問題など、
思わぬひっかけがありまさに頭の体操でしたが、それらがまったくでてきません。
一見仕方なくもありますが、変わりに「DSならではの問題」を追加する事もできたはずです。
作品を物語風にしてその手の問題を入れにくくしてしまった事にも問題があるようにも思えます。
兎にも角にも、この書籍のコンセプトを考えると思考の次元が一つ減った事は完全な劣化要素です。
・問題の偏り
物語の進行に合った問題がチョイスされている為、問題の傾向に多少偏りがあります。
特に北極旅行パートで北極・南極に関係する問題がかなり短い間隔で出てきます。
「どうせまた北極がらみだろ」と思ったらやはり北極がらみなこともしばしば、頭の体操の邪魔にしかなりません。
・テンポの悪さ
問題・答えのロード、オートセーブ等に合計10秒以上かかる、答えを見るために４回タッチしなければならない、答えを見たら必ず２種類の評価をしなければならない
ととにかく次の問題までのテンポが悪いです。
１回目のプレイならそこまで気になりませんが、もう一度流してやる気にはなれません。
全部クリアした後でいいので書籍版のようにパラパラ見直させてほしかったです。
・タッチ操作との相性の悪さ
メモ機能や上記動かせる問題などでタッチペンの細かい操作が必要になりますが、どうやってもうまく操作できません。
というのも、このゲームはDSを縦にしてプレイするからです。
タッチパネルは基本的に横向きにしたときの目の位置を基準にしている為、縦にするととたんに見えている位置とタッチで反応する位置が変わってしまいます。
折角マッチ棒を用意してもらっても満足に動かせない為、DSを横にしてメモ機能でマッチを書いて考えました。
□総評
中途半端に物語風にしたせいで、劣化してしまった点が目立つように思います。
良い点に関してもヒント以外は「便利になった」だけで、ゲーム版でなければ出来ない事はありません。
とはいっても元の問題は面白い為、これから頭の体操に触れてみたいという方には十分だと思います。
本気で問題に挑みたい方には是非書籍版をおすすめします。
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