数年物だけれども、このミニ・アルバムに収録されている「Discovery」という曲をしっかりした音源で聴きたかったので注文してみた。久しぶりのCDの買い物で、結構ワクワクした。
「Discovery」は期待通り、グルーブ感、アイデア満載で曲調も明るく楽しめたが、一番最初の数小節で使われていた幾つかのコードで、パラパラパラというシンセ音の伴奏、そしてベースラインの流れは、明らかにピチカート・ファイブのアルバム Happy End of the World(1997)の「Arigato We Love You」からの「借り物」だろう。実はこのパラパラ音の伴奏方法は、80年代後半にイギリスの Inner City が「Set Your Body Free」という曲のロンドン・リミックス・バージョンにおいて、三つのコードで使い始めたものを、ピチカート・ファイブが借りてきた(?)ものだろうと推測するが、それが今回更に借用されているようだ。
14年も前に発表された、日本のダンスミュージックCDを敢えて注文したのは、やはりしっかり聴きたいと思わせてくれる出来の良さがあったからだ。それに、このミニアルバムはストリーミングでは聞けないというのもある。「Discovery」が出た2008年頃は、クラブなどで流行ったのだろうか。できればもっと早く知りたかったと思う。
五曲入りのこのアルバムでもう一点特筆すべきは、大貫妙子の「メトロポリタン美術館」が、これもなかなか楽しいアレンジでカバーされていること。「みんなのうた」で80年代にかかっていた名曲だが、これがなかなかヘビーなビートと現代的な音に乗りながらも原曲の可愛らしさが残っており、これも楽しい仕上がりだ。よく見つけてきたなと思う。