コレって続く新作は、ひょっとするとひょっとするかもよ!?と思わされた先行EP。楽曲様式としては過去2作の流れを汲んだ、メロディアスでドラマティックな轟音。ながら、ともすれば虚仮脅し的だった前作での作為感が綺麗に消え去り、ほとんど余裕とも言える大スケールで悠然と鳴り響く轟音が強烈な昂揚を生んでいる。
美しいピアノ・ラインで撃ち、劇的なストリングスで砕くオープニングはその名も"Bells Of Creation"なる大仰ナンバー。オアシス顔負けのアンセミックな一品ながら、この否定しようの無い昂揚感は何!?旋風のように吹き荒れるインストゥルメンテーンを中敷に、猛烈な歓喜感動衝動を巻き起こすサマが圧巻。続く"Inland Sea"も全くの同スタイルで、リリカルな鍵盤が描く透明感/折り重なる数多器楽が靄成すファンタジックな轟音が溶け合って爆発する。メロディが良い/歌が良いなんて誉め言葉は久しく使ってなかったが、Tr.3"Festival Thyme"でのパーカッシヴに乱舞する器楽に乗る、歌/メロの昂揚感には抵抗不可。もれなく持ってイカれちゃう。ラストチューン"The Betrayal Of Roger Casement And The Irish Brigade"は、一転して黒々としたカオスを敷き述べるプログレッシヴなインスト・ナンバー。もうね、なんも言うことありません。4曲で完結するEPだからうまく纏め切れてる、という面はあるにせよ、新譜への期待が爆発的に高まった素晴らしい一枚でありました。