THE JETZEJOHNSON10ヶ月ぶりのニュー・アルバム。「12WIRES」。
到着が早い上に、シングルを全く切らずにスパッと出された今作。
内容に関しても今までとはちょっと違う。何気に変化作だと思う。近未来を感じさせる音作りは健在ですが。
まず大きな点としては今までよりも生音が強調されている。特に前半の曲。
エレクトロと生楽器を重ね合わせる方法論でなく、若干それぞれを独立して鳴らしているような。
「Vivas the RIOT」「Pixelstorm」では前作ではあまり聴こえなかったギターの歪みを堪能できる。
ってか、後半はそうでもないけど前半に関してはギターが印象に残る曲が多いなと。
そして重要なのが明らかに日本語詞が増えている。それも目に見える形で。
だけどこれがまた、違和感を感じさせない言葉を選んでいるのもジェッジらしい。
例えば、初聴きの人がこれを真っ先に聴いてもいいくらいにバンドとしての軸がぶれてないし、
何よりもじゅにあの歌声がまったく変わってない。いつもと同じダンディズムと男性としての格好良さを十二分に感じさせる美しい声。
一曲目の「HEADLINER OF THE YEAR」からして踊りだしたくなる、弾けた名曲なのだが(歌詞がジェッジとは思えないくらい遊んでる!)
その後も9曲目の「Pizza」まで駆け抜けるビート感の心地よさ。アッパーさ。
キャッチーでスピード感のある曲のオンパレードだが、それだけではなく電子とロックの上に
パンクロックのビートやリズムを乗っけている感触の曲もいくつかあり、ますます形容のし難い音楽になっている。
そして後半がまた新機軸。なんとしっとりとしたバラード、ミドルテンポの曲中心。
ちょくちょくインタールードで区切りを付けてるお陰もあって、アルバムの流れは見事にスムーズ。
そしてゆったりとした曲調でも電子音は絶えず鳴っている為、心地よい刺激が続いていく。
音数が多くても全然浸れる音楽作れるじゃん、といういい見本である。
「20miles」「百年の花」あたりはJ-POPとしても勝負できると思う。マジで。
バンドは変化していくのが常ではあるが、この変化の仕方は正直上手い。
しかも先日ラジオでの発言によると今の時点でメジャー3作目を制作中らしい。2009年は本格的に飛躍の年になるか。期待してしまう。