坂本龍一氏が気に入っているバンドということで、買ってみました。 40代には懐かしい音とボーカルではないでしょうか。 はにわちゃんのかなしばりとか、戸川純の玉姫様(紙ジャケット仕様)とか、山口美央子の「月姫」とか、一風堂の「すみれ September Love」(ESSENCE:THE BEST OF IPPU-DO)とか、、、YMOやムーンライダースとか好きな人は好きかも。 昔のジャンル分けで言うとテクノ歌謡(?)ライクなサウンドに、今風な萌えなボーカルを足した感じ。 とは言っても、80年代のテクノ歌謡と比べて、バンドサウンドが素直で開放的で、どこかに出口が用意されているような明るさがある。初夏のお日様の下に連れ出して、昼寝をしても良さそうな。そういう意味では、ZELDAの空色帽子の日やバングルズのManic Monday (Greatest Hits)を思い起こすこともある。
グダグダ理屈を並べてもあまり意味がないのは自分でも承知で、それはこのアルバムの7曲目「さわやか公務員」を聴いてる時に喚起される得体の知れない胸騒ぎのような(この曲でのラテン乗りの取り入れ方はすごくアズテック・カメラ辺りを彷彿とさせるのだが、私個人はアズテック・カメラが特別好きな訳じゃない)、手に入らないと分かっている対象に向かってそれでも手を伸ばし続けるかのような切ない焦燥感は、これまで聴いた他のアーティストのどの楽曲でも得られなかったもので。「クールな熱さ」とでもいうのか、ある意味でRhythim Is Rhythimの"Strings Of Life"にも似た感じで抗い難い魅力を持った楽曲である。それなのに「真ん中は空洞」というのがすごいというか、やくしまるえつこの表現の核であって彼女を他のアーティストと差異化させているような気がする。