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このセカンドの発表時、ファーストだった前作のモノクロームなサウンドと打って変わって、柔らかい日が、少し射し込んでいるようなアコギの響きで始まるアルバムタイトルであり、1曲目の「ひまわり」に引き込まれたのを思い出す。
リマスター効果かアコギの音が優しく感じる。
曲の登場人物も、下町の住人や工場勤めの男、2時間近くかけて都心へ通勤している様なサラリーマンといった市井の普通の人たちが現れ始めた。
その人達の悲哀、怒り、希望が小山の視点を通して、優れた新聞のコラムを読んでいるみたいに紹介される。
スキーもサーフィンも出てこないが、慎ましく暮らしたいと願っているこの人達にこそ、自分が知りたいと思う事があると僕は思ったけど、このアルバムのリリース時はシリアスなものが敬遠される時代にもう入っていたから、どれくらいのメディアが評価してくれただろう？
前作で響き渡っていたサックスが不参加だったこともあり、ある種の「疾走感」や「焦燥感」みたいなものは希薄になったが、代わりに収録曲「パラダイス・アレイ」の様な選ばなかったものや失くしたもの、諦めたものに対する「距離感」や「解放感」が、何処と無く漂白されたような雰囲気で鳴っている。
聴くのに前作ほどの体力を要しないが、しかしこの人の表現は、しっかりと心に刻まれる。
まるで着慣れたシャツのようにフィットする。
前作と本作発表までの間に、シングル盤で先にリリースされたこの人らしさ全開の6曲目「傷だらけの天使」も実にお見事！
つまりは大変優れた作品ということです！
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