この自由な世界で [DVD]
フォーマット | 色, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | コリン・コフリン, レズワフ・ジュリック, レイモンド・マーンズ, ケン・ローチ, ジョー・シフリート, ジュリエット・エリス, キルストン・ウェアリング |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 36 分 |
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商品の説明
『麦の穂をゆらす風』から2年。名匠ケン・ローチ監督によるロンドンの片隅で生きる人々の感動の物語。
2006年カンヌ映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した『麦の穂をゆらす風』のケン・ローチ監督が、自己の幸せを求めるために他人を犠牲にして「自由」とは何なのかを深く問いかける。
〈映像特典〉
●オリジナル予告篇
●日本版予告篇
〈スタッフ〉
監督:ケン・ローチ『麦の穂をゆらす風』『明日へのチケット』/製作:レベッカ・オブライエン『麦の穂をゆらす風』『明日へのチケット』/脚本:ポール・ラヴァティ『麦の穂をゆらす風』『明日へのチケット』/撮影:ナイジェル・ウィロウビー『セプテンバー11』『マグダレンの祈り』/美術:ファーガス・クレッグ『麦の穂をゆらす風』/音楽:ジョージ・フェントン『ガンジー』『アース』『ユー・ガット・メール』/編集:ジョナサン・モリス『麦の穂をゆらす風』
〈キャスト〉
キルストン・ウェアリング/ジュリエット・エリス/レズワフ・ジュリック/ジョー・シフリート/コリン・コフリン/レイモンド・マーンズ
【作品内容(ストーリー)】
1人息子のジェイミーを両親に預けて働くシングル・マザーのアンジー。仕事がうまくいったら息子と一緒に暮らすつもりで、思い切って自分で職業紹介所を始める。外国人の労働者を企業に紹介する仕事だった。必死にビジネスを軌道にのせるアンジーだが、ある日不法移民を働かせる方が儲けになることを知る。そして、彼女は越えてはいけない一線を越えてしまう。そして事件は起こった…。
2007年ベネチア国際映画祭最優秀脚本賞受賞他多数の映画祭に受賞、ノミネート。
◆2008年8月16日より渋谷シネ・アミューズ他にて全国公開。
〈関連情報〉
ケン・ローチ監督作品:
『麦の穂をゆらす風』(GNBF-1156)、『明日へのチケット』(GNBF-1157)、『ナビゲーター ある鉄道員の物語』(GNBF-1158)、『ブレッド&ローズ』(GNBF-1159)、『マイ・ネーム・イズ・ジョー』(GNBF-1160)、『ケン・ローチ傑作選 DVD-BOX』(GNBF-1161)
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988102623135
- 監督 : ケン・ローチ
- メディア形式 : 色, ワイドスクリーン
- 時間 : 1 時間 36 分
- 発売日 : 2009/4/3
- 出演 : キルストン・ウェアリング, ジュリエット・エリス, レズワフ・ジュリック, ジョー・シフリート, コリン・コフリン
- 字幕: : 日本語
- 販売元 : ジェネオン エンタテインメント
- ASIN : B001Q2HO28
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 142,910位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 13,912位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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主人公が、出稼ぎ労働者を集めて来る、ポーランドやウクライナはかつての「共産圏」だ。「政治的自由・文化的自由」を求めてその軛を取り除いた先にあるのが、マルクスの言う「経済外強制の存在しない自由」=「飢える自由」と「国境を超える自由」のある世界だったと言うことだろう。
マルクスは、資本主義を分析しただけでなく、そこからの解放も語っている。人類の前史を終わらせ理想の社会を作るのだと言う。だが、この問いへの答えを人類は見出せないまま、21世紀を迎えた。この映画の絶望感はそこにあると思う。『It's a Free World...』。
以上のように書くと、やたら理屈っぽく聞こえますが、捻りの効いた話の運び、通り雨の多い英国の気象、荒廃した都市の裏通り、退屈することも肩が凝ることも有りません。こなれた映画作りは見事です。
本作品では貧困層の労働事情を背景に描写しているが、そのバックグラウンドだけではなく、主人公が必死になっていくあまりにどつぼにはまる様子がとても上手く描かれている。とくにあの終わり方は皮肉がきいていてかなり印象に残るものだった。社会派映画が好きな人にはもちろん、ヒューマンドラマが観たいという人になら例外なくおすすめできる作品だ。
移民問題は今のところ日本には影響が少なく、そのことが日本社会へ直接影響を与えることへは想像が働きにくいが、このグローバル化した世界では間接的に形を変えて余波が押し寄せてくることは間違いがない。それは、大陸国家からの負担の分担を迫られたり、あるいはもっと想像を豊かにすれば、北朝鮮の独裁体制が崩壊した場合のその難民となった人たちの押し寄せとか。
ブレグジツトを決断した現在のイギリスから10年も前に既に難民の増加による、英国市民の労働問題がこんなに拡大していたのか。当時はまだ、ISの影響やジャスミン革命による北アフリカ諸国からの難民はなかったのに…。
これらの現象がもたらす不安が同一国家内の市民対立を生み、さらには『国家とはなんだ』といういままで当たり前で、考えることのなかった疑問を難民にも、そしてそれを受け入れる側にも、映像で目にする者にも投げかけるようになってきている。
この映画の主題はそんな外側の政治的なことではなく、その中で生きることことに葛藤する女性の善悪の基準のブレやそれがもたらす彼女自身の変化を描いている。
でも、私はどうしてもその外側の社会が痛々しくて意識がそちらに向いて離れなかった。
2017/03/20
酷な状況を徹底して描く作家がいます。
たとえばハーモニー・コリン、ラース・フォン・トリアー、
ミヒャエル・ハネケなどがその代表だと思います。
ケン・ローチがそういった作家と、共通した姿勢と
センスを持ちながら決定的に違うのは、労働者階級の
実状を克明に描くぶぶんよりも、映画の中で起こっている
悲劇に対する認識ではないでしょうか。
インタビューを読むとよくわかるのですが、
彼はあらゆる不幸や悲劇、苦痛は、人間一般に
誰でも起こりうる不可避な出来事であるから、
根本的な解決は見つからないんだ、という
諦念をあくまで受け入れません。
なのに映画のストーリーはほぼ悲劇で、幸せな結末も
選択されません。
映画の中で彼や彼女は悲惨な結末を迎えるが、
その後の人生においてそして、人間全体の未来に
いつか解決の糸口が見つからないはずはない、
という強固な意志を感じさせるのです!!
ですから、この映画や「スイート・シックスティーン」を観て、
悲惨なだけの映画だなあ、と思うのは違うよ!!と言いたいのです。
ケンはいつも主人公や主人公の意志を継いだ者を、
殺さないで話を終わらせます。
映画が物語が終わったからといって、
登場人物の人生もあなたたちの人生と同じように
まだ終わってはいない。
ケンは静かにそう教えてくれているのだと思うのです!!
労働者事情と移民問題をテーマに描く社会派作品。 33歳のシングルマザー
である主人公が勤めていた職業紹介所を解雇され、起死回生を狙って自分で
紹介状を始めるが・・・なお話。
毎回ブラック・サバスのギターリフ並の重さの社会派作品を繰り出してくるケン・
ローチ監督だが、この作品もかなりヘヴィーです。
テンポの良さと、主役を演じるキルストン・ウェアリングのやぶれかぶれな生き様
の魅力と、セクシーさがとてもいい。
移民問題の根深さと絶望感が胃腸にこたえました。 社会問題の勉強にもなる
作品です。
低賃金労働者、移民、ブルーカラーなどのいわゆる貧困層、社会的弱者の立場から映画を撮り続けている。
それは、最初からずっと徹底していてブレがない。
この監督には本当に頭が下がります。
決して作り物やお涙ちょうだいの世界ではなく現実を直視し、リアルな目線で描かれた世界は力強く説得力があります。
有名になった現在もリアルティを出すために名のある俳優は決して起用せず一貫して無名俳優(時には本物の労働者や移民)を使うあたりも徹底している。
そして何よりすごいのがリアリティを追求した映画がおちいりがちな生真面目なゆえのたいくつさがみじんもない事。
「ちゃんと映画として面白いんです!」
映画として面白い。それがケン・ローチが実力派の映画監督として一目おかれる所以でしょう。
それもリアルなゆえの面白さ。決して人ごとじゃないって気になってくるんですね。
テレビのドキュメンタリーとか見ていてその先が気になって(好奇心と心配から)最後まで引きずるように見てしまうのにも少し似ている。
特にこの映画の主人公アンジーの立場は結構日本の現在の若者の多くにも通じるところがあってかなり共感を持ってみれるんじゃないかと思います。
派遣を繰り返し、一向に貯金もたまらず年ばかりとり、将来に不安を感じる主人公のアンジーがある日、このまま搾取されるばかりで人生終わらせたくないと自分も搾取する側の立場になりたいとある時移民相手の労働派遣事務所の設立を思い立つ。
同じように大学卒業の高学歴を持ちながらあいかわらずコールセンターの派遣の仕事をしている友人のローズをさそい早速事業に着手するも普通の女の子であった彼女達の無謀とも思える挑戦と生身の人間を相手にする仕事に対しての甘さ、自分カワイさに欲にくらんでいく様子などにハラハラ、ドキドキ。
物語の行方が気になって最後まで一気に見てしまいます。
そしてたどり着いた先は見まごう事なき現実世界・・・・。
蟹工船を読むのならこちらの方が現代の社会で生活している者としては絶対的なリアリティで迫ってくる物としておすすめです。
派遣の仕事といっても実態は日雇いであり、やってることはただの斡旋業
しかも不法入国した移民たちに対して行うものだから、違法スレスレ
こうしてみると移民たちを搾取する悪辣な人物かのようだが、主人公自身もリストラにあい、女手ひとつで子どもを育てようと必死に生きてる人間にすぎない
弱者(シングルマザー)がさらに弱者(移民)を踏み台にするというどうしょうもない連鎖
グローバル化された世界とはとどのつまり、弱肉強食の世界ではないのか
日本もこういう世界になっていくのかと思うと暗澹たる気持ちになる
IT'S A FREE WORLD...
2007年 / イギリス/イタリア/ドイツ/スペイン
監督: ケン・ローチ KEN LOACH
出演: カーストン・ウェアリング Kierston Wareing
ジュリエット・エリス Juliet Ellis
イギリスの労働者事情と移民問題をテーマにしている社会派の作品。
職業紹介所で働くシングルマザーのアンジーは、上司のセクハラを断固として撥ね付ける。
その後、突然のように解雇されてしまう。
思い切ったアンジーは、ルームメイトのローズを誘って職業斡旋の仕事をスタートさせる。
外国人労働者の斡旋業を不法移民で働かせるほうが儲かると斡旋企業先から聞かされることで、一線を越えてしまう。
「金儲け」の麻薬症状はじわじわとアンジーを蝕んでゆく。
子供を預けている両親から、「子供に恥ずかしくない職業と、食べてゆけるだけの質素な収入があればいい」と諭される。
工場が倒産して未払いが生じるが、自分の利益を確保するが、派遣労働者は泣き寝入りをさせることになる。
やがて、「金儲け」の大きなお釣りが自分を襲うことになる。
「この自由な世界で 」と自分のためだけに人を搾取するアンジー。
「この自由な世界で 」と言われても、やってはいけないことこともあるとアンジーと袂を分かつローズ。
「この自由な世界で 」 娘に「子供に恥ずかしくない職業と、食べてゆけるだけの質素な収入があればいい」と諭すアンジーの父。
「この自由な世界で 」働いてくれさえすれば、何も問わず会社が運営されればいいと不法移民を紹介させる零細企業。
「この自由な世界で 」働かせてくれさえすればと子供を抱えて、職を求めて(食を求めて・食べてゆけることを求めて)イギリスにやってきている労働者とその家族。
IT'S A FREE WORLD...
山本夏彦さんではありませんが、微に入り細に入りと現状を粒さに表現していますが、映画で訴えたいことの本質が何だろうか・・・となります。
小宮山隆央
他の国からのトップレビュー
"It's a free world" is a touching story about the fight for a "better" life. Being on the "other side" of the border some 10 years ago, I myself witnessed the way how the applicants' money was taken (in advance) by the corrupted agencies, promising rainbows and other miracles in this beautiful country. This country is beautiful and I love it. However the humans, living in this country carry the same human nature and it is far from perfect! Anjie, her dad, her son, her colleague, her Polish "interpreter" and even the social workers strive for "better" life.
For me the last scene of the film makes the film ! Please, watch it carefully!
Having been worked on the "immigration front" since 2004, I knew and still know so many foreigners who barely speak English and I always asked myself - how come these people come to the UK, if they do not SPEAK English and why they NEVER learn to speak English? I believe you will find the answer of this question whilst watching "It's a free world"
Though the film as a whole is both unflinchingly truthful and raises important questions over identity, dignity, and the 'true' worth of money, there are a few missteps in the film. Loach lays the melodrama on rather thickly during the last half hour (though that's not to say this part of the film isn't moving), and the film does drag a little in places. Elsewhere, Loach fails to fill out a few reasonably promising characters, such as Angie's father; supportive, yet increasingly worried by her decision making. Still, this is a thought provoking, often gripping, and expertly acted work. Gone are the slightly bungled sentimentality and simplistic moral messages of some of Loach's earlier work, and this is to the credit of 'It's a Free World...'. If you're looking for a gritty and satisfying portrayal of the struggles and strife of Modern day Britain, and the way relationships and attitudes develop and change, I would highly recommend this film.