本作品はAmazonでも同じジャケットで二種類別出版でリリースされています。このレビューは「RLR」の方です。
本作品には Mega Disc から二枚組が「Birdland 1950 : Complete Tow Disc」としても世にでていますが、追加三曲中一曲マイルス不参加。二曲はヴォーカル、バックで聴こえるペットはマイルスかナヴァロか判然としないとの主旨を教祖は申して、完全版を評価していないようですね。
本作の内容はアメリカのレビューに詳しいので参照価値ありです。私の評価としては「ここから "マイルス・ミュージック" を聴き取るのは難儀である」と云うものですね。敢えて謂えば「こうしたスタイルのジャズから早く離れたいマイルスの感覚がなんとなく伝わる、テクニック以外で伝わるものが稀薄」って所でしょうかね。マイルスの存在と存在意義が感じ難いと云った所です。
聴き所としては、"ジャムセッション" と云うある一時期にだけあった「ジャズエイジ」の雰囲気を味わう、といった所にあるんじゃあないでしょうか。マイルス者としても時々聴く程では無いにしても、必ず?持っている作品かな。
マイルスがサイドメンとして参加しただけで「マイルス・ミュージック」になると云う好例は『The Hot Spot/Antilles(’90.5.7~10)』或は『Special Guestis... Miles/Universal(’86~'90 )』などに聴く事が出来ますが、そうした絶大な威力が発揮されるのに本作品は其の時期では無かったですね。
『Sarah Vaughan In Hi-Fi』の参加には大人の事情も有った様ですが、ここにも個性としてのマイルスの"音"は在るんですが「マイルス・ミュージック」の片鱗は無い。ヘレン・メリルの伴奏に回ったブラウニーの威力は当時で云えばマイルスを超えていたと思えますね。
・・・と云う事で本作品は資料的価値に重きがあるかも。"コレクター"向きと云えるものだろうか?ですかね。
音質も"オーディエンス録音" でありあまり良くは無いですが、ブートとしては並みのレベルですね。
以下は私の支持するデータで、曲順は当日の演奏順としました。'50.6.30 1st & 2nd set
1/Band Warming Up [2:01]-------1st set
2)/Max is Making Wax [6:27]
3)/Wee (aka.Allen's Alley) [11:00]
4)/Hot House into 52nd Street Theme [9:55]
5)/52nd Street Theme [5:40]
6)/Ow! (as Chubbie's Blues) [11:36]
7)/Embraceable You [4:21]
8)/Conception (as Poobah) [10:55]-------2nd set
9)/Eronel (as Overturia) [13:04]
1st set/Fats Navarro(tp) #4-6; J.J. Johnson(tb) #1-5,7; Brew Moore(ts); Tadd Dameron(pf); Curly Russell(b); Art Blakey(ds)./Pee-Wee Marquette の声が聞こえる
2nd set/Fats Navarro(tp); J.J. Johnson(tb) #8; Charlie Parker(as) #8; Brew Moore(ts) #8; Walter Bishop Jr.(pf); Curly Russell(b); Art Blakey(ds).