数々の名義で変幻自在のスタイルを操る彼が、3つの異なるプロジェクトから最新アルバムを立て続けにリリース。その幕開けとなる Prefuse 73の最新作「Everything She Touched Turned Ampexian」は、なんと全30曲。「エディットの魔術師」と評される彼の真骨頂とも言うべき、流れるようなエディットとサイケなサウンドがとにかく素晴らしい!!
今作で彼はデジタル録音を一切使わず、アナログ・テープを使って録音することにより、かつて実験的なスタジオ・ミュージシャンらが生み出してきたサウンド (デジタル技術の繁栄で失われてしまったサウンド)をアルバムに吹き込んだ。
「Parachute Panador」のドラムマシーンによるプログレ・ロックから「Violent Bathroom Exchange」のノイズジャムまで、Prefuse 73の音楽が気持ち良くストレッチしていくのが感じ取れる。「Nature’s Uplifting Revenge」はまるで海賊版ラジオのようだが同時にAnimal CollectiveからJ Dillaのようなサウンドまでをも併せ持つ。そして「Simple Loop Choir」は、壮大ないわばロボ・バラード。この曲には自身のヴォコーダー・ヴォイスとアナログ・サウンドのコーラスがフィーチャーされている。
スコット・ヘレンこそは紛れもないトップ・アーティストである。ヒップホップ界とアヴァンギャルド・ロックの世界の両方において、彼ほど重要な人物 を見つけるのは難しい。ここ1年でもTV On The Radio、Pelican、BLK JKSやCorneliusのリミックスを依頼された他、前作『Preparations』では、School Of Seven BellsやBATTLESなどともコラボレートしている。そういった活動は、Prefuse 73の進化しつづけるサウンドの美学を形作る重要な要素のひとつとなり、ヘレンのひねりの効いたプログレ・ロック、“マシーン・ファンク”とグローバル・ サイケデリアの構想を無限に広げている。そしてその広がりは、追ってリリースされるSavath & Savalas、Diamond Watch Wrists(変態ポストロック・デュオ、HellaのZach Hillとの最新プロジェクト)へ繋がる。
今後のギレルモ・スコット・ヘレンの展開にご注目下さい!!!
※ 帯解説付き / ボーナストラック1曲収録 / 国内盤