ヴィレッジヴァンガードでのセッションといえばスコット ラファロ、ポール モチアンとのライブ盤があまりにも有名で、こちらはそれと比較すると知名度はかなり低い。しかし、ライブでも淡々と丹精込めた音を紡ぎだすエヴァンスの態度は一貫しており、ゴメス、モチアンとの息もピッタリで非常に安定していて聴く側も集中できる。
三曲目のAlfieは偉大なソングライター、バート バカラックの作品だが、これがいい。いたるところでで半音が激突する甘い調べ・・・エヴァンスならではの研究しつくされた演奏だ。バカラック好きの洋楽ファンには是非聴いていただきたい演奏でもある。
というか、私自身、エヴァンスのこの演奏がきっかけでバカラックが好きになったという経緯があるのだが。
いずれにしても70年代中期、脂の乗り切ったエヴァンス、モレル、ゴメスの素晴らしいトリオの作品だ。私は大好きである。