アーティストについて
エフゲニー・キーシンは1971年にモスクワで生まれた。彼は2歳の時から耳で聞いた音をピアノで弾くことができ、即興演奏をしていた。6歳の時、才能ある子供たちのためのモスクワ・グネーシン音楽学校に入学し、彼の唯一の師となるアンナ・パフロフナ・カントールに師事した。1982年、10歳でモーツァルトの『ピアノ協奏曲K466』を演奏してデビューし、その翌年には初のソロ・リサイタルを行なった。
キーシンの演奏技術は12歳のときにはすでに非常に熟達しており、音楽に対する感受性も驚くほど成熟していた。1985年には初めてロシア国外での演奏を行ない、その翌年日本で初のツアーを行なった。また、1987年のベルリン・フェスティバルで西ヨーロッパでのデビューを果たし、翌1988年にはロンドンにおいてワレリー・ゲルギエフ指揮、ロンドン交響楽団との協演でデビューを果たした。この年の12月、キーシンはヘルベルト・フォン・カラヤン率いるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のジルベスターコンサートに出演したが、その演奏は世界的にテレビ放送され、またオーディオ版、ビデオ版用にレコーディングされた。1990年はキーシンがプロムス・コンサートに初出演した年であり、またズービン・メータ指揮、ニューヨーク・フィルハーモニックとの協演で北米デビューを果たした年でもある。その1週間後にはカーネギーホールでデビューリサイタルを果たしたが、これはカーネギーホール100周年シーズンの開幕となるものであった。
2008年から2009年におけるエフゲニー・キーシンの予定は以下のとおりである。ドミトリー・ホロストフスキーとともにチャイコフスキーとラフマニノフの歌曲のリサイタルをフランクフルト、ミュンヘン、パリ、ロンドンで行なう。また、サンクトペテルブルクやモスクワにおいて、マリス・ヤンソンスの指揮によるシューマンの『ピアノ協奏曲』、ユーリ・テミルカーノフの指揮によるブラームスの『ピアノ協奏曲第1番』、ウラディミール・スピヴァコフの指揮によるベートーヴェンの『ピアノ協奏曲第1番』を演奏する。さらに、今シーズンにはヨーロッパ・アメリカ・アジアへの広範囲なリサイタル・ツアーも予定されており、スペイン、ポルトガル、スイス、ルクセンブルク、イタリア、フランス、ドイツ、オーストリア、中国、韓国の25の主な都市でプロコフィエフとショパンの作品を演奏する予定である。
<日本公演情報>
2009年4月19日(日)19時開演 サントリーホール
2009年4月23日(木)19時開演 サントリーホール
2009年4月26日(日)19時開演 サントリーホール