テーマは光と影、明と暗。
タイトルが示す通り、陰陽がくっきりと分かれた楽曲が交互に配され、アンセミックなグラムポップとトリッピーなサイケデリアがせめぎあいながらも互いを引き立てるように一つの流れを形作っています。
野性的なラウド・ビートが鳴り響く冒頭曲から中毒性抜群で、ぐるぐると渦巻くグルーヴに呑み込まれます。
他にもフランツ・フェルディナンドのニックがドイツ語でゲストコーラスする#4、中近東の民族音楽がフィーチュアされた#7など、相変わらずアレンジが面白い極彩色のアンセムも目白押し。
ポップなファーリーズが好き、サイケな所が好き、実験的な所が好き等々…全方位でファンの好みの琴線をカバーする出来栄えだと思います。
また、今作のアートワーク、前作で起用した田名網敬一と、それまで担当していたP.ファウラーの両者によるコラボとなっているのも注目です。
内容は最高だった前作ですが唯一あのジャケットに馴染めなかった自分としてはファウラー氏の再起用は嬉しいです。
国内盤が田名網色の強いエキセントリックなジャケットで、輸入盤はファウラー色の強いポップキャラ系統。国内盤のボーナストラックは1曲のみ(しかも#7のライヴ音源)という低特典なので魅力に欠けます。私はジャケットの好みで輸入盤をオススメします。