実のところ、「キング・オブ・アメリカ」に負けないくらいのアルバムだと思っています。
「百福」で、いい加減コステロも全盛期は過ぎたかな……と思ったのでしたが、このアルバムを聴いた時には涙が出るほど感動したものです。次の「ナショナル・ランソム」など比べ物にならないくらいの名盤です(「NR」好きな人、ごめん)。
正直この頃のコステロは、
アラン・トゥーサンとのアルバムあたりから、どうもいまいち受けが良くなく、なんだか地味な活動に陥ってしまった感じがありました。
A.トゥーサンとのあと、Elvis Costello and the Sugarcanesといったバンドを編成し、フォーク・ミュージックに力を入れたコステロでしたが、このような音楽は尚更この日本には受け入れられる土壌は無く、この頃のコステロの活動はまったく日本に情報が入って来なくなってしまいました(ネットでは勿論掴めますけどネ)。
ーーそんな中、リリースされたのが今作です。
エミルー・ハリスも再び参加しています。
ルーツミュージックに根ざしたフォークを演るにしても、ビートルズなどにも通じる英国人としてのポップなセンスがエルヴィス・コステロという人にはあるため、程よく親しみやすい風味が効いた、得も言われぬ新鮮な音楽が流れ出して来るのです。
またここには、「アンデルセンの生誕200周年記念」に合わせてデンマーク・ロイヤル・シアターから依頼され、書き上げた「The Secret Arias」からの曲も収録されています。(正直このオペラは、あまり良い評判をききません。なんだかコステロもそれでクラシック音楽への意欲が減退してしまったかのよう??です ←勝手な推測)
このアルバム、1つだけ不満もあります。それは カバー曲 ⑬チェンジング・パートナーズ がラストナンバーになっている点です。
もしあの「キング・オブ・アメリカ」のラストが、 ♪悲しき願い④ だったらどうです?(そんにゃのぉ やだー やだぁー)
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑬⑪⑫ でエルヴィス・コステロ&ザ・シュガーケインズ を味わい尽くすのです。ぅわー いいなぁぁ〜〜♪