当時思い切りテクノに熱狂してた中ボウでしたし、アリスっていうのはどちらかというと遠い存在でした。しかしこのアルバムだけは、どうにも耳に残ってしまって消えなかった。今、他のアリスのアルバムと比較してみると、このアルバムだけは何と言うかスローな雰囲気で異色なんですね。テクノなんかとはまた正反対で、良いんですよね。
谷村さんが30歳少しくらいの時で、「昴」あたりを発表した時期のアリスのアルバム。「黄色いカモメ」なんて本当に名曲。若い人にも試しに聴いてもらいたいです。人生観変わりますよ。シレっと娘にカーステで聴かせてみるか、なんか反応あるかもしれない。
この1970年代後半から1980年代の前半にかけての時期って、日本の音楽文化がピークにあったように思います。YMO、冨田勲、喜多郎、そして後期になると久石譲などなど、もう天才だらけ。世界を見れば欧州のクラシック界にはカール・ベームやヘルベルト・フォン・カラヤンがいたり、アメリカにはボストンポップスを率いるジョン・ウイリアムズもいたな。音楽に刺激が満ち溢れていました。
レコードレーベルにはテラークのような究極の音源を提供してくれる存在が現れたり、1970年代後半から1980年代の前半はすごいと思う。
自分のレコードコレクションはこの時期から止まっています。せいぜい1990年代までかな。いい音楽が出尽くしてしまったのでしょうか。
でも、新しい世代に期待したい。また違う感動を与えてほしい。